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【スメターナ】と【ノン】との出会いに感動。新井薬師前のウズベキスタン料理店「ヴァタニム」

外で食べる 2022.12.09

【スメターナ】と【ノン】との出会いに感動。新井薬師前のウズベキスタン料理店「ヴァタニム」

こんにちは。筆者は「すしログ」という鮨専門サイトを運営しつつ、国内外の料理を食べ歩いて20年の「食の変態」大谷だ。食のために世界を放浪し、石毛直道先生を敬愛して文化人類学を専攻。食べ歩くだけではなく自ら料理することを是としている。

今回ご紹介する新井薬師前の「ヴァタニム」は、ウズベキスタン料理のお店である。ウズベキスタン料理は都内でも非常に少ないので、貴重なお店と言えよう。筆者は、新井薬師前に移転する前に高田馬場にあった頃にお伺いして、感銘を覚えた。新井薬師前に移って2年が経った今、再訪を果たした。

新井薬師前「ヴァタニム」

なお、ウズベキスタン料理は意外にも日本人の口に合う。メインで使用される食材が羊肉なので、その点だけは好みが分かれるものの、味付けにクセが無く、シンプルな調理が多い。使用するスパイスもクミンやコリアンダーなど、カレーで使われるものが多い。そして、「ヴァタニム」は特にパンとヨーグルトソースが美味しいのだ。めくるめくウズベキスタン料理の世界をご紹介しよう。

そもそもウズベキスタンとは?代表的な食べ物を紹介!

ウズベキスタンは、「スタン」の名が付く通りアフガニスタンやタジキスタンの隣にあり、中央アジアに位置する国家だ。中央アジアは中国の西、ロシアの南、イラン・パキスタンの北にあり、「中央アジア」というよりは「極西アジア」に近い気がする。

ただ、トルコや巨大なカザフスタンを含めると広大になるため、「中央」とくくっているのかもしれない。かつてはシルクロードの要所として栄え、古都サマルカンドの素晴らしさはバックパッカーの間でも有名だ。

お皿の文様に魅力的な文化を感じる。
お皿の文様に魅力的な文化を感じる。

さて、料理の話に移ろう。ウズベキスタン料理で有名なものを挙げると、【シャシリク】、【プロフ】だろう。また、中国の麺料理が由来である【ラグモン】や、餃子が由来と思われる【マンティ】など、日本人が馴染みやすい料理が多い。

他に、生野菜サラダの【アチクチュク】や、肉とトマトを煮込んだスープ【ショルヴァ】など、ヘルシーな料理も魅力である。一部にロシア料理の影響も受けていて、【ボルシチ】が馴染んでいる点が面白い。

ただでさえ珍しいウズベキスタン料理であるが、「ヴァタニム」は多くの日本人に馴染みやすいアレンジを加えていて、同時に日本在住のウズベキスタン人も通う本格的なお店だ。次の項目では、そして、ウズベキスタン料理で忘れてはならない【ナン(パン)】と【スメターナ】について紹介する。

ウズベキスタン料理の「ヨーグルトソース」とは?

ウズベキスタン料理の「ヨーグルトソース」は【スメターナ】と呼ばれる。

こちらがスメターナ。ロシアなどでも多用される。
こちらがスメターナ。ロシアなどでも多用される。

【スメターナ】は厳密に言うとヨーグルトよりもサワークリームに近い。ウズベキスタンの主食である【ナン】に付けたり、スープに入れたり、肉料理に付けたりして頂く。いわば「万能ヨーグルトソース」だ。強いコクと軽い酸味があるため、料理をサッパリと頂ける。

現地では製品として販売されているが、日本で作る場合、プレーンヨーグルトと生クリームを混ぜて作る人が多いようだ。

「ヴァタニム」の【ナン】は、【ノン】と表記されていて、抜群に美味しい。

香ばしい【ノン】と【スメターナ】は、それだけを目当てにお伺いしても感動するほどの味わいである。パンや乳製品好きならば間違い無いだろう。

香ばしい【ノン】と【スメターナ】は、それだけを目当てにお伺いしても感動するほどの味わいである。パンや乳製品好きならば間違い無いだろう。

「ヴァタニム」のお料理を紹介!

では、早速、「ヴァタニム」のお料理を紹介する。お店は新井薬師前にあり、なんと町蕎麦屋さんの居抜きだ。

お店は新井薬師前にあり、なんと町蕎麦屋さんの居抜きだ。

内装もお蕎麦屋さんらしく、和のテイストが漂う。

内装もお蕎麦屋さんらしく、和のテイストが漂う。

しかし、店内の壁にはウズベキスタン国旗が掲げられている。

しかし、店内の壁にはウズベキスタン国旗が掲げられている。

これは意外性ある立地と雰囲気だ。

この度頂いたお料理

  • ノン
  • スメターナ
  • ショルヴァ
  • キーマシャシリク
  • タンディールサムサ
  • プロフ
ノン440円、スメターナ352円
ノン440円、スメターナ352円

【ノン】は、甘やかな小麦の香りにゴマの香りが混ざり、頂く前から食欲が刺激される。サクッと弾けて、熱々の湯気とともに香りが広がり、クラム(パンの中身)はみっちりした食感。ただでさえ美味しいパンであるが、【スメターナ】によって引き立てられる!

スメターナ

「ヴァタニム」の【スメターナ】は、ヨーグルトやサワークリームよりも酸味が軽く、コクが強い。イギリスのクロテッドクリームのようなコクが魅力だ。それ故に厚みがあり、味わい的にも存在感のある【ノン】との相性が抜群だ。

【ノン】と【スメターナ】は多くの料理に相性バッチリなので、オーダーは必須と言える。

ショルヴァ1,100円
ショルヴァ1,100円

ラム肉と野菜をじっくりと煮込んだスープ。野菜はジャガイモ、パプリカ、セロリ、ピーマン。スープの味付けは素朴ながら実に味わい深く、野菜のコクや甘みが優しい。それでいて羊肉はワイルド。

ラム肉

骨周りを用いているので、力強い味わいと肉質だ。肉団子も入っているのが嬉しく、クミンが効いていて美味しい。羊肉のパンチをシンプルに堪能できるスープで、たっぷりの香菜がアクセントになり、飽きない。

キーマシャシリク550円
キーマシャシリク550円

ウズベキスタン料理を代表するラム肉の串焼き。焼き上がりまで60分近くかかったので、早めの注文が必須だ。待った甲斐のある美味しさで、非常に味わい深いシャシリク。シンプルに旨い。

添えられているのは生タマネギなので、日本人は辛いと感じるかもしれないが、羊の挽肉との相性が抜群で、これこそが現地らしい食べ方だ。キーマシャシリク、玉ねぎ、スメターナをノンに挟んで頂くと、得も言われぬ喜びを得られる。

タンディールサムサ440円
タンディールサムサ440円

これは個人的にオーダー必須の逸品だ。パンの中にはラム肉とタマネギが詰まっていて、「ヴァタニム」では自家製の挽き肉を使うところがこだわりだ。

タンディールサムサ

タンディール(窯)で焼いているため、外はカリカリ!そして、生地はもっちり!羊の旨味とタマネギの甘みが合わさり、無心で頂いてしまう美味しさだ。

これに【スメターナ】を合わせると、熱で溶けて一体化し、コクがアップする。旨味×旨味の相乗効果であり、高温の【タンディールサムサ】だからこそのマリアージュを楽しめる。

タンディールサムサ

羊肉好きには是非とも食べて頂きたい。

プロフ1,100円
プロフ1,100円

【プロフ】は、祝日に食される国民的なお米料理だ。パエリアのように米を油で炒めてから炊く。現地では油を大量に用いるそうだが、「ヴァタニム」は軽めだ。野菜の甘みがたっぷり滲んでいて、ニンジンの甘味とレーズンの香りが特徴的。具材の羊肉は少な目で、ニンジンが主役の炊き込みご飯だ。

スメターナ

何にでもスメターナを付けたくなる。日本人にとっての醤油のように使える万能調味料だと感じた。

「ヴァタニム」のメニュー
「ヴァタニム」のメニュー
「ヴァタニム」のメニュー
「ヴァタニム」のメニュー
「ヴァタニム」のメニュー

高田馬場時代に頂いた【ラグモン】も美味しいが、初訪問の方は是非とも【タンディールサムサ】と【スメターナ】を食べて欲しい。そして、【ノン】を持ち帰りで頂くのも大いにアリだろう。お得な平日限定のランチメニューもある。

ランチメニュー

ヴァタニム

住所:東京都中野区新井1-36-9 岡田ビル 1F
電話番号:03-6454-0689
予約可否:予約可
営業時間:11:00~16:00、17:00~22:00 (L.O.21:00)
定休日:無休
お店の公式facebook
https://www.facebook.com/vatanim.tokyo/

記事を書いた人

大谷悠也
大谷悠也

鮨研究家、文筆家、ブロガー。鮨の人気を高めるべく「すしログ」を運営し、全国を精力的に回る。鮨に限らず、旺盛な食欲と好奇心を腹に、日本国内外で6,000軒以上の飲食店を訪問。市場や生産者、醸造家のもとに足を運び、自ら調理も行う。

すしログ
https://sushi-blog.com/