こんにちは。筆者は「すしログ」という鮨専門サイトを運営しつつ、国内外の料理を食べ歩いて20年の「食の変態」大谷だ。
食のために世界を放浪し、石毛直道先生を敬愛して文化人類学を専攻。食べ歩くだけではなく自ら料理することを是としている。
今回ご紹介する「THE APOLLO(アポロ)」は、銀座にあるモダンギリシャ料理のレストランである。
しかも、ギリシャではなくオーストラリア・シドニー発というところが面白い。
確認したところ、東京・銀座店でもシドニーの本店とほぼ同じメニューをいただけて、シグネチャーは完全に同様である。
料理は全般的にオリーブオイルとオリーブ、そしてチーズが多用されているのでギリシャ感を十分に楽しめる。
和食とは全く違う意外性のある味付けがありつつ、日本人にも親しみやすい(クセが無い)料理ばかりだ。
また、雰囲気についても洗練されていて、流石、銀座東急スクエアの最上階に広大なフロアを有しているだけある、と感じた。
広大でスタイリッシュ、かつ良い意味でスノッブな雰囲気(勝手なイメージでNYっぽい)。都会的な空間は誰もがワクワクするだろう。
結果として、お客さんの90%は女性で、休日のお昼には満席になっていて人気っぷりに驚いた。
それでは、「THE APOLLO(アポロ)」の魅力を、お伝えしよう。
野菜が多く炭水化物が少なくヘルシー!「THE APOLLO(アポロ)」の味の特徴は?
銀座の「THE APOLLO(アポロ)」は2016年3月に竣工した「東急プラザ銀座」の最上階・11階に入っているモダンギリシャ料理店だ。
シドニーの本店は2011年にオープンしたそうだ。オーストラリアのメディア「The Australian(1964年創刊、高級紙として知られる)」が発表する「The Australia Hot 50 restaurants(オーストラリアで熱いレストラン50選)」を3年連続で受賞するなど、大変な人気を誇っているようだ。
日本でも競争が激しい銀座で、しかも賃料が恐ろしく高いであろう立地において大人気を博して7年以上とは、雰囲気だけでなく実力も兼ね揃えている証だろう。
料理については、オイルは控えめに仕上げ、チーズのコクと塩気を活用している点が特徴的だと感じた。
冒頭のとおりオリーブオイルとオリーブ、そしてチーズが多用されていて、食材への味付け(塩加減)は強くない。チーズと合わさることで塩がバシッと決まる料理が多い。
また甘味も付けていて、乳製品のコクと塩気に甘味を合わせてバランスを取っている点が和食には無い調理法だ。そして野菜が多く炭水化物が少ないので、ヘルシーな印象を覚える。
シドニーでも東京でも人気なメニュー「ラムショルダー、ザジキソース」はヨーグルト好き、羊料理好きならば一食の価値がある料理だ。
詳細は後述するが、ザジキソースが大変魅力的な役割を果たし、ボリューム感がある羊の肉塊をパクパク、サラリと食べてしまう。
使用されている羊肉の部位は赤身が主体なので、食後感は軽い。コースによってはオプショナルになるが、是非とも追加することをオススメする。
それでは、実際の料理のレポートをお届けしよう。
「THE APOLLO(アポロ)」の料理を紹介!全8品、充実のランチコースを堪能しました!
「THE APOLLO(アポロ)」でいただいた料理は、「THE FULL GREEK LUNCHコース(全8品)」だ。予約サイトの「一休」だと、乾杯ドリンク付きで7,430円のコースが6,000円になるのでお得だ。
他にも下記のようなコースがあるので、ニーズに合わせて使い分けられる。
- 「平日限コース+乾杯ドリンク(全5品)」3,830円→2,900円
- 「THE APOLLO LUNCHコース(全6品)」コースのみ3,800円
- 「THE APOLLO LUNCHコース(全6品))」コース+乾杯5,340円→4,300円
「THE FULL GREEK LUNCHコース(全8品)」の内容
- APPETIZER(前菜5品):ギリシャ産カラマタオリーブ、タラマサラータ、サガナキチーズ、グリークサラダ、オリジナルピタブレッド
- MAIN DISH(メイン):ラムショルダー、ザジキソース、レモン
- SIDE DISH(サイド):オクラのマリネ、ストラチャッテラ、アーモンド、ミント
- DESSERT(デザート):“レモンパイ” アポロスタイル
- コーヒー(ホット or アイス)
食感が良い大玉のグリーンオリーブとブラウンオリーブの嬉しい組み合わせ。ともに味と香りが異なるので楽しい。
ピザボックスを模した箱に入って登場。
「タラマサラータ」とはギリシャを代表する前菜料理で、日本語では「タラモサラダ」と呼ばれることが多い。
魚卵、レモン、オイル、パンを混ぜ合わせて作る。これをオレガノがけのピタブレッドといただく。
「魚卵」は塩漬け卵のようで、日本でよく見かけるタラコを転用した代替メニューではない。乳化していてコクが強いものの、レモンの酸味がスッキリと味をまとめる。
素朴な味わいのピタブレッドとともに病み付きになる味わいだ。オリーブも同様だが、ワインは必須だろう。
シドニーで一番の人気を誇るメニュー。
ケファログラヴィエラチーズ(ヤギと羊のミルクのチーズ)を鉄板で焼き上げ、ハチミツ、オレガノ、レモンで味をまとめた料理だ。甘味、酸味、塩味が織りなす味わいは、特に女性ならば大ヒットする味覚構成ではないだろうか。
甘味が付けられているものの、チーズの塩気がしっかりしているので、不思議とバランスが良い。ワインにもピッタリ。
タラマサラータを塗ったピタブレッドと合わせると味覚が広がり楽しいので、ぜひとも試してみてほしい。
キュウリ、トマト、モロッコインゲン、紅芯大根、ブラウンオリーブに、フェタチーズ、フレッシュなイタリアンパセリとミント、ドライハーブのオレガノを合わせている。いただく際には混ぜる。
キュウリは甘味があるマリネを行っていて、フェタの塩気やコクと合わせる。
冷製で、トロトロのオクラが実に味わい深い。水分を飛ばしているので味が凝縮している。甘味と酸味を付けて肉とも合わせられる調理と調味である。
なお、このコースのサイドディッシュは3品から選べて、以下のとおりであった。
- ケールのスチームソテー、レモン、チリ
- オクラのマリネ、ストラチャッテラ、アーモンド、ミント
- ベビーポテトのロースト、ハーブ、ガーリック
ラムの肩肉を10時間煮込んだ後、オーブンで1時間じっくりと焼き上げている。そのお陰で肉はホロッホロ。味付けがシンプルで、羊の旨味をストレートに楽しませてくれる。そして、ザジキソースが秀逸だ。
ヨーグルトの酸味が味をキリッと引き締め、最高の相性だ。
ヨーグルトの酸味だけでなくレモンの酸味も付けていて、ガーリックの香りづけは非常に上品(「モダン」ギリシャ料理を謳う理由を感じる)。
羊はボリューム感があるものの、レモンもあるので最後まで飽きが来ない。素晴らしい組み合わせのメインディッシュである。
レモンカード、炙ったメレンゲ、クランブルで構成されているオリジナルのデザートだ。レモンカードの酸味とメレンゲの強い甘味が強烈な存在感を示す。
クランブルの方は甘味が控えめで、サクサクした後にしゅわっと溶ける食感や、香ばしさなどが良きアクセントとなる。
ただ、スイーツが好きな自分でも甘味の強さに少々驚いたので、甘味が苦手な方は他のスイーツを選ぶのが無難だ。
ネットでも「甘い!」と言うレビューが目立つ。ある意味、日本離れした本場の味を楽しめるスイーツと言えるだろう。
ワインはギリシャのものを頂いた。
品種はクシノマヴロ、モスカート。グレープフルーツ的な酸味と苦味から上品な甘味が広がる辛口方向のスパークリング。サッパリ。
品種はロディテイィス。かなり香ばしく、ビターなオレンジワイン。
なので、メインディッシュの羊肉料理にピッタリの相性であった。
お店は大変な人気を誇っているので、事前予約は必須だ。
カウンター席とテーブル席を選べるが、個人的にはテーブル席が圧倒的にオススメである。さらに「外が見える席を」とお願いすれば満足度が上がるだろう。
THE APOLLO(アポロ)
住所:東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座 11F
電話番号:03-6264-5220
予約可否:予約可
営業時間:
【平日】11:00~16:00(L.O 15:00)、17:00~23:00(L.O 22:00)
【土曜】11:00~23:00(L.O 22:00)
【日曜・祝日】11:00~23:00(L.O 21:00)
定休日:不定休(東急プラザ銀座に準ずる)
お店の公式サイト
http://theapollo.jp/