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パレスチナ式水餃子は羊のミルクのヨーグルトが決め手!十条「Bisan(ビサン)」

外で食べる 2024.02.26

パレスチナ式水餃子は羊のミルクのヨーグルトが決め手!十条「Bisan(ビサン)」

こんにちは。筆者は「すしログ」という鮨専門サイトを運営しつつ、国内外の料理を食べ歩いて20年の「食の変態」大谷だ。食のために世界を放浪し、石毛直道先生を敬愛して文化人類学を専攻。食べ歩くだけではなく自ら料理することを是としている。

今回ご紹介する「Bisan(ビサン)」は、北区十条にあるパレスチナ料理店だ。十条と言いう少し渋い街にあって多くの人を惹きつけるパレスチナ料理店。それだけでも確かな魅力を有するお店だと分かるのではないだろうか? 筆者も期待を込めて訪問したところ、期待以上の美味しさで大満足であった。

パレスチナな地中海東岸に位置する地域で、パレスチナ料理は、広義では中東料理の範囲になるが、「Bisan(ビサン)」では他の中東の国には無いパレスチナらしい料理を頂ける。また、オーナーシェフのアレンジが光る料理もあるので、初めて出会う味覚にワクワクするだろう。

特に、ヨーグルト好きであれば必食なのが【シュシュバラク】だ。羊のミルクのヨーグルトを用いているので、非常に珍しい。珍しさだけでなく、味わいも格別なので、要チェックだ。

それでは、「Bisan(ビサン)」の魅力を、お伝えしよう。

東京で13年。アラビアンスタイルの店内でいただくパレスチナの家庭料理

Bisan(ビサン)

オーナーシェフのSudki(スドゥキ)さんは生粋のパレスチナ人だ。
お店のオープンは2011年とのこと。東京で10年以上も営業されていることから実力が窺える。オープン当初から現地の食材、スパイスを取り寄せるこだわりを持ち、本場のパレスチナ料理を楽しめる。

料理の特徴としては、独特のスパイス使いが光り、他のアラブ料理やお店とは異なる確かな魅力を有している点にある。料理が届いた時の香りで「おお〜!」と思うはずだ。未体験の方はもちろん、中東料理や地中海料理を食べている人でも新発見がある料理ばかりだ。

そして、塩気や油が上品なので、食後感が重たくない点も特徴であり魅力である。ご飯ものはボリュームがあるものの、野菜料理を組み合わせることで、お肉料理もするする入り、サッパリと頂ける。

全体的に、パレスチナの家庭料理をスドゥキさんの感性で再現し、パレスチナの味を伝えよう!と言う想いが込められていると感じる。それ故に多くの日本人ファンを生み出し、長く人気店であり続けているのだろう。

店内はこぢんまりとしていて、アラブテイストたっぷりだ。

Bisan(ビサン)

パレスチナ関連のアイテムが飾られている中に、ひときわ目立つのがアラファト議長(パレスチナ初代大統領・ノーベル平和賞受賞者)の肖像写真だろう。要チェックである。

それでは、実際の料理のレポートをお届けしよう。

多彩なスパイス使いと爽やかな酸味が食欲を加速。「Bisan(ビサン)」の料理はこちら!

「Bisan(ビサン)」で頂いた料理は、こちらの通りだ。

  • タッブーラサラダ:1,800円
  • シュシュバラク ※コースのみ
  • シシケバブ ビーフ:1,400円
  • バーミヤ:1,700円
  • マンサフ:1,900円
  • レバノンビール アルマザ:800円
  • チュニジアビール セルティア:750円
  • チュニジアワイン 白:850円
タッブーラサラダ
タッブーラサラダ

アラブを代表する有名なサラダだ。たっぷりのパセリと、挽き割り小麦「ブルグル」、オリーブオイル、レモンなどで和えている。よって、一口目から爽やか! パセリの香りが広がり、レモンの酸味がしっかり効いていて爽快だ。ミントも使用しているようだ。

ブルグルは香ばしく、トマトの酸味やコクも加えている。シンプルなサラダだが、他にもオリーブオイルの香りや玉ねぎの食感など多様な味わいがあるため、全く飽きない。香りにハマる人が多いかもしれない。肉料理との相性も抜群だ。

シュシュバラク
シュシュバラク

パレスチナ式の水餃子。これこそが羊のヨーグルトを使用した料理だ!

ソースはパレスチナ直送の羊のヨーグルトとミルクを混ぜて作られている。ヨーグルトと乳製品のコクが活きている香りが印象的だ。

そして、チーズのような強いコクと、ふんわりと漂うヨーグルトの酸味が実に味わい深い。温かいヨーグルト料理の魅力を伝えてくれるのが嬉しい!餃子はもちもち感が強い皮で、餡ともどもソースと抜群に合う! ひき肉はきめ細かく、上品にスパイスを効かせている。これは抜群に美味しいヨーグルト料理!

シュシュバラクのメニュー

ただ、【シュシュバラク】は基本的にコースのみの御料理となるので、ご注意あれ。筆者は他のグループがコースで予約されていたので、運良く追加で頂くことが出来た次第である。

シシケバブ ビーフ
シシケバブ ビーフ

届いた瞬間に食欲をそそるスパイスの香りが広がる。味もバッチリ!食感はイスラムのケバブどおり、モソッとしつつ、もぎゅっとした食感。

シシケバブ ビーフ

ケバブの味付けが実に魅力的で、スパイスに合う。

バーミヤ
バーミヤ

「パレスチナ周辺で大人気」な「優しい母の味」とのことで、オクラとトマトを使用した煮込み料理だ。

パプリカパウダーを使用しているようで、食欲をそそる香りが広がる。オクラのトロトロ感と、トマトの酸味と旨味、そしてスパイスが素晴らしい組み合わせだ。これまた他にない味わいと魅力!トマトの酸味が食べ飽きない。

ご飯はサフランライスのようで、粘度が低くてパラッとしている。小粒で丸みのあるお米はイタリアのカルナローリ米のような印象だ。

マンサフ
マンサフ

パレスチナ式のチャーハンで、18種類のスパイスをブレンドしているとのこと。パレスチナで高い人気を誇っており、シェフのアレンジも加えられているそうだ。

同名の料理がヨルダンにもあるが、見た目は大きく異なる(ヨルダンのものは発酵させた乾燥ヨーグルトで羊を煮込む)。「Bisan(ビサン)」のマンサフは、カレーピラフだ! 辛味があるところが刺激的。スパイスの使い方としては、日本人だと「ドライカレー」をイメージする人も多いだろう。

鶏肉、マッシュルーム、ピーマンなどが使用されていて、ヨーグルトソースとトマトの酸味がアクセントになる。お米はカリッと、パラッと炒められていて、美味しい! ソースにはヨーグルトをケチャップ、スパイスを混ぜているようで、見事に馴染む。

マンサフ

唯一の注意点としてはボリュームが多い点だ(笑)。頼む場合、他の料理とのバランスを考えるのが得策と言える。

チュニジアビール セルティア、レバノンビール アルマザ
チュニジアビール セルティア、レバノンビール アルマザ

右側の背が高い方がレバノンビール アルマザだ。チュニジアビールは酸味と香りが爽やかで、レバノンビールは甘味とコクが特徴的。

チュニジアワイン 白
チュニジアワイン 白

置いているワインについては、白がチュニジアで、赤はモロッコとのこと。チュニジアの白はコクが強く、タンニンのような苦味もある。どことなく干しぶどうっぽさを感じる、濃醇な白ワインだ。

お店は大人気なので、予約は必須だ。店内は広くないので、荷物は多くないほうがベターだろう。

4人くらいでいろんな料理をいただくのも楽しいが、ありがたいことに魅力的な「一人用コース」も提供されている。

Bisan(ビサン) 一人用コース

Trattoria Tabule

住所:東京都北区中十条2-21-1
電話番号:03-5948-5711
予約可否:予約可
営業時間:17:00~23:00、金土日のみ 12:00~14:30
定休日:水曜
お店の公式サイト
https://bisan.biz/

記事を書いた人

大谷悠也
大谷悠也

鮨研究家、文筆家、ブロガー。鮨の人気を高めるべく「すしログ」を運営し、全国を精力的に回る。鮨に限らず、旺盛な食欲と好奇心を腹に、日本国内外で6,000軒以上の飲食店を訪問。市場や生産者、醸造家のもとに足を運び、自ら調理も行う。

すしログ
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