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ベンガルの濃厚ヨーグルトは必食!町屋「ベンガル料理 Puja(プージャー)」で個性派カレーとデザートを満喫

外で食べる 投稿日:2025.03.28 / 更新日:2025.03.28

ベンガルの濃厚ヨーグルトは必食!町屋「ベンガル料理 Puja(プージャー)」で個性派カレーとデザートを満喫

こんにちは。筆者は「すしログ」という鮨専門サイトを運営しつつ、国内外の料理を食べ歩いて20年の「食の変態」大谷だ。食のために世界を放浪し、石毛直道先生を敬愛して文化人類学を専攻。食べ歩くだけではなく自ら料理することを是としている。

今回ご紹介する「ベンガル料理プージャー」は、町屋にあるベンガル料理のお店だ。

「ベンガル料理プージャー」

東京都内で、町屋に目的地がある人はそう多くないかもしれない。

しかしながら、スパイス好き、カレー好きならばぜひ足を運んでほしいのが、町屋3丁目にある「ベンガル料理プージャー」だ。

さらに、声を大にして言いたいのが、ヨーグルト好きな方ならばきっと感動することだろう。美味しいカレーの後に頂くデザート【ベンガル・ヨーグルト】が絶品だからだ。

正直に申し上げて、自身が食べたことがあるヨーグルトデザートの中でもトップクラスの美味しさであった。この感動を読者の方とも共有したいので紹介する。

それでは、「ベンガル料理プージャー」の魅力を、お伝えしよう。

日本では知られざるベンガルの食文化がここに!「ベンガル料理プージャー」の魅力を紹介

「ベンガル料理プージャー」

「ベンガル料理プージャー」は2006年にオープンしており、本記事公開時点で19年近い歴史を持つことになる。競争が厳しいインド料理業界で、しかもベンガル料理に特化して営んでいるレストランとしては長い歴史だ。

ご主人の長潟さんは、ベンガル地方の音楽を求めてインドに渡り、奥様となるションチータさんと出会ったそうだ。そして帰国後オープンしたのがこのお店。「プージャー」という店名は、娘さんのインド名という。

長潟さんが得意とする料理は、ベンガル料理の中でも特に西ベンガル地方の料理だ。ベンガルはバングラデシュも含むが、西ベンガルはインドのコルカタ周辺のエリアで、この地方の料理を出すレストランは日本全国でも稀有と言われている。

バングラデシュのベンガル料理では肉が多用され、脂分が好まれるのに対して、西ベンガル料理では、素材の味を活かすためにスパイスの使用料は最小限。にんにくや玉ねぎも多用しないそうだ。

ベンガル料理プージャーの説明

お店を初めて訪問すると、誰もが驚くのが、ドアに貼られた「ナンありません」の張り紙だろう。

ベンガル料理プージャーの説明

こだわりが強い店主のように思うかもしれないが、ベンガルでは米食が中心で、ナンを食べる習慣が無い。しかし、多くのインド・ネパール料理店(いわゆるインネパ店)や、チェーン店によって、インド料理=ナンと言うイメージができてしまったことは否めない。ゆえに、わざわざ注意書きを貼っているのだと思われる。

実際に本格的なインド料理店を巡ると、米食が主体であることが分かる。そして、粉ものもナン以外に様々なタイプがあり、奥深いことも。ベンガルの粉ものは、全粒粉から作る【ルティ】と言う丸くて薄いクレープ風のパンだ。

ベンガル料理プージャーの説明

「ベンガル料理プージャー」では、こうしたベンガルの食文化を知ることができ、実際に食べることができる貴重な店である。それでは、実際の料理のレポートをお届けしよう。

ターラはまるでコース料理!味と香りで飽きさせない「ベンガル料理プージャー」の料理とは?

「ベンガル料理プージャー」で頂いた料理は以下のとおりだ。

  • ターラ(Thala):2,800円
  • ベンガル名物、濃厚ヨーグルト(Mishti Doi):500円
  • ビラ91(インドのクラフトビールのラガー):650円
ビラ91
ビラ91
ターラ(Thala)
ターラ(Thala)

大皿のセット料理【ターラ(Thala)】は、以下のお料理で構成されている。

Bhat / ライス
Salad / サラダ
Chop / コロッケ
Dal / 豆カレー
Niramish Torkari / ベジ料理
Sorshe Ilish / イリシュのマスタードカレー

または、

Kosha Mangsho / ヤギ肉のセミドライカレー
Papor / 豆せんべい
Chatni / チャツネ
Mishti / デザート

選べるカレーについては、【イリシュのマスタードカレー】を選択した。イリシュはベンガルで愛される魚で、ションチータさんいわく「日本のニシンのような魚」との談だ。独自のルートでベンガル産のイリシュを仕入れているそうで、日本において貴重である。小骨が多いのが少し厄介だが、カレーのグレイビーに非常に合う魚である。

ダル

まず、ダルを一口いただいて非凡であることが分かる。実に旨い!旨味が強い!

「ベジ料理」は、ジャガイモ、カリフラワー、茄子、大根、小松菜など多様な野菜のスパイス炒め。ジャガイモの甘味にピリ辛が混ざるところや、カリフラワーはしゃくしゃくした食感の後に軽くとろっとほどけてゆき、甘くてホロ苦いところなど、野菜の味わいを楽しませてくれるスパイスと塩の使い方だ。

茄子もとろりと甘い。プレートの他のお料理に辛味があるため、野菜たちの甘味がプレートの中で緩衝材となる。

フィッシュコロッケ

フィッシュコロッケは、サクッと弾ける細かな衣の音に、食感の前から楽しくなる。そして、様々な香りが広がり、カルダモンの香りが爽快に漂う。ソースはマスタードに酸味を付けている。

イリシュのマスタードカレー

【イリシュのマスタードカレー】は、酸味が効いていて、辛味とマスタードの風味とともに病みつきになる味わいだ。「イリシュ」は確かにニシンのようであり、更にサバさばを足したような繊維質と香りである。他にないので後を引く味わいで、実に美味しい。

イリシュのマスタードカレー

酸味は当初ヨーグルトかと思ったが、ションチータさんに伺ったところ、なんとマスタードの酸味だそう。実に面白い発想!

デザートに塩が効いたパパドと甘いチャツネを食べる

デザートに塩が効いたパパドと甘いチャツネを食べるところも面白い!塩気と甘さのコントラストに魅了される。左に添えられたココナッツのしっとりした食感のスイーツも、ココナッツらしい繊維質が楽しい。

このように、【ターラ(Thala)】はワンプレートでありながら、コース料理のような満足感を味わえるところが魅力だ。南インドやスリランカのように混ぜ合わせるスタイルでないため、自分で流れを組み立てながらじっくりと楽しめるプレートである。

プリンとキャラメルとクリームチーズのいいとこどり⁉ ベンガル名物、濃厚ヨーグルトは必食!

ベンガル名物、濃厚ヨーグルト(Mishti Doi)
ベンガル名物、濃厚ヨーグルト(Mishti Doi)

これは必食だ!!濃密なテクスチャーとキャラメル様の香りで一口目から「なんだ!?これは!」と驚嘆する。

もはやカスタードプリンのようなテクスチャーにキャラメルレアチーズケーキのような香り、そしてクリームチーズのようなコクだ!甘味を効かせているが、ヨーグルトの酸味があるため後を引き、パクパクと無心で食べてしまう。

器が土器なのも楽しくなる

器が土器なのも楽しくなる。

カレー料理のみならずデザートまで個性的で、他では頂けない逸品ばかりである。それ故に、家からすこし距離があろうとも、時を経て再び頂きたくなるのだ。

なお、お店へのアプローチはちょっとわかりづらいので、補足しておきたい。

「ライオンズプラザ町屋」の地下1F

場所は町屋駅から徒歩数分の「ライオンズプラザ町屋」の地下1F。

「ライオンズプラザ町屋」の地下1F入口

入り口だけ見るとちょっと怪しく思うかもしれないが、店内は可愛らしいので安心して欲しい。

店内に飾られているのは、ベンガルの「カンタ刺繍」

店内に飾られているのは、ベンガルの「カンタ刺繍」で、壁面にはラビンドラナート・タゴールの詩がご主人の手書きでつづられている。お店に流れるBGMもタゴール作詞の歌だそうだ。タゴールはアジア人で初めてノーベル賞を受賞したコルカタ出身の詩人だ。お料理でも、空間でも、ベンガル愛を感じられる名店である。

ベンガル料理 Puja

住所:東京都荒川区町屋3-2-1 ライオンズプラザ町屋 B1F
電話番号:03-3800-1636 ※遠方から訪問する場合、念のため電話確認を
予約可否:予約可 ※SNSのDMでも予約可能
営業時間:12:00〜15:00(L.O.14:00)/ 17:00〜21:00(L.O.20:00)
定休日:水曜(祝日の時は営業、翌日が休業)、不定休あり
Instagram
https://www.instagram.com/puja_bengalirestaurant/
X
https://x.com/sarodiyapuja

記事を書いた人

大谷悠也
大谷悠也

鮨研究家、文筆家、ブロガー。鮨の人気を高めるべく「すしログ」を運営し、全国を精力的に回る。鮨に限らず、旺盛な食欲と好奇心を腹に、日本国内外で6,000軒以上の飲食店を訪問。市場や生産者、醸造家のもとに足を運び、自ら調理も行う。

すしログ
https://sushi-blog.com/

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