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民族の味に歓喜!大塚のネパール料理店「カスタマンダップ」はヨーグルト使いの達人だった

外で食べる 投稿日:2025.04.25

民族の味に歓喜!大塚のネパール料理店「カスタマンダップ」はヨーグルト使いの達人だった

こんにちは。筆者は「すしログ」という鮨専門サイトを運営しつつ、国内外の料理を食べ歩いて20年の「食の変態」大谷だ。食のために世界を放浪し、石毛直道先生を敬愛して文化人類学を専攻。食べ歩くだけではなく自ら料理することを是としている。

今回ご紹介する「カスタマンダップ」は、大塚にあるネパール料理のレストランだ。

「カスタマンダップ」

ここ10年間で、ネパール料理店は大久保を中心に一気に増えた。そのため、インド料理ではない、純粋なネパール料理に触れたことがある人も比べ物にならないほど増えたのではないだろうか。その一方で、まだ食べたことがない、と言う人も高確率でヒットするのがネパール料理だと思う。

筆者はネパールにも行ったことがあるが、味覚的に日本人との親和性が高いと感じている。ネパール料理はもちろん、日本料理も美味しかったのが信頼の理由だ。海外で日本料理を食べると残念な思いをすることのほうが多いので、ネパール人の味覚と日本料理に対する味覚の解像度の高さに驚いた。そして、ネパール料理へのシンパシーを強めた次第である。

今回はネパール料理店でも「あまり頼む人がいないかもしれない」ヨーグルト料理を紹介する。「あまり頼む人がいない」と言っても、決してキワモノではない。他の料理があまりにも有名すぎるため、目立たないだけだ。未体験の味覚を楽しませてくれる料理なので、ぜひとも頼んでみて欲しい。

「カスタマンダップ」

それでは、「カスタマンダップ」の魅力を、お伝えしよう。

ネワール族とタカリ族の料理が楽しめる「カスタマンダップ」の魅力

「カスタマンダップ」は2018年9月にオープンしたお店だ。大久保の超人気店「アーガン」に勤めていたシェフのお一人が独立の形でオープンされた。

店内は広く、ネパールの民族的、伝統的な調度品で彩られていて、落ち着ける雰囲気だ。謎にバーカウンターもあるところは「アーガン」と同様。妙に楽しくなる雰囲気とも言える。

「カスタマンダップ」

御料理も「アーガン」と同じく、ネワール族の料理とタカリ族の料理をともに出すスタイルだ。これらの部族料理は食文化が全く異なり、食べ比べをするとネパール料理にハマるきっかけとなるだろう。

大きな違いとしては、バート(ご飯)以外の主食にあり、ネワール族はチウラ(干飯)を、タカリ族はディド(蕎麦がきのようなもの)を食すところだ。有名な【ダルバート】は、まずは日本人に馴染み深いバート(ご飯)で食すのが良いと思うが、ネパール料理の魅力を知った後にチウラやディドも試してみると面白いだろう。

それでは、実際の料理のレポートをお届けしよう。

スパイスの芳香、乳酸発酵のうまみと香りがやみつきに!「カスタマンダップ」の料理を紹介

「カスタマンダップ」で頂いた料理は以下のとおりだ。

  • ダヒプリ:750円
  • マトンセクワ:800円
  • サモーサチャート:550円
  • カスタマンダップスペシャルタカリセット:1,550円
  • ビール:620円
  • チャン:600円
  • オールドダルバール ブラックチムニー:700円
ダヒプリ
ダヒプリ

カリッカリの衣の中からヨーグルトの酸味が広がり、スパイスの香りと辛味が弾ける!ダヒプリは間違いなく、多くの日本人にとってサプライズのあるスターターだろう。

ヨーグルトは水分を軽く抜いている模様。そして、ヨーグルトがたっぷり使用されているので健康的だ!この後紹介するマトンセクワなどの焼きものとの相性も良い。

マトンセクワ。付け合わせの調味料はケチャップベースのチリソース。
マトンセクワ。付け合わせの調味料はケチャップベースのチリソース。

マトンをグリルしたマトンセクワは、配膳と同時に香ばしい香りが広がり、まぶされたスパイスに感謝を覚える。見た目は硬そうだが、頂いてみるとしっとり、ジューシーだ。…とは言え、基本的にはマトンらしい噛み応えを楽しませてくれる。干し肉を炒めたスクティよりは格段に柔らかいので、まずはセクワがオススメだ。

サモーサチャート
サモーサチャート

衣をガリッ!と揚げたスパイシーなサモサにヨーグルトとチリソースを合わせた一皿。

サモサ単体だと油の風味がストレートに伝わり、ガッツリした味わいとなるが、ヨーグルトが加わることでつまみとして楽しめる。あるいはヘルシーに楽しめると言っても良いかもしれない。

ジャガイモの甘味、スパイス、辛味、そしてヨーグルトの酸味、実に魅力的な組み合わせだ。少量使われているグリーンチャトニも良い仕事。

カスタマンダップスペシャルタカリセット
カスタマンダップスペシャルタカリセット

非常に多品種で贅沢。ダルバート(ダル=豆スープ、バート=ご飯)の上位互換的なプレートだ。

ダルスープ

ダルスープは小豆系の香りが広がり、とろみがあり、塩気を効かせてスパイスやガーリックは極軽い。

チキンカレー

チキンカレーは、スッキリ、さっぱり味の方向性。マトンカレーはまろやかで、こちらも穏やかな味わいのカレーだ。「アーガン」と比べて、スパイスも塩気も穏やかな点が特徴だと感じる。ともに骨付きの肉を使用されている点が魅力だ。

付け合わせのゴルベラ・コ・アチャール(トマトのアチャール)

付け合わせのゴルベラ・コ・アチャール(トマトのアチャール)は、ネパール山椒のティムルがガッツリ効いていて、予想外に個性的であった。美味。

セットにグンドゥルック・アチャール(発酵高菜の乾物漬物)も付いてくるのは嬉しいところ。ムラ・コ・アチャール(大根のアチャール)はちゃんと発酵させているもので、軽めの乳酸発酵が爽快だ。

タルカリ(青菜の炒めもの)とジャガイモは作り置き。まあ、これは大箱なので仕方ないか…。ギー(バターオイル)が付いてくるところは大変嬉しい。これは威力が凄い!「ガチな香り」にシフトするので、躊躇せずに使ってみて欲しい。

生ビールはプレミアムモルツ。
生ビールはプレミアムモルツ。
チャン
チャン
店内に輝くチャンのネオンサイン
店内に輝くチャンのネオンサイン

ネパールの地酒だ。チャンはシコクビエ、米、ムギ、トウモロコシなどを原料として造られる醸造酒である。中でもネワール族やタカリ族のチャンは米で造られるため、上質な味わいとされている。

スッキリした上品な甘味で、飲むヨーグルトのような味わいのお酒である。これはスパイスに合うのでオススメだ。

オールドダルバール ブラックチムニー
オールドダルバール ブラックチムニー

ネパールのウィスキー。あまり見かけることがないが、ネパールで流行しているそうだ。

ブラックニッカに近いフレイバーに黒糖を思わせる香りと後味。苦味を感じさせるキリッとしたウィスキーだ。後で調べてみたところ、原料はブラックニッカと同じくモルトとグレーンのブレンデッドであった。

このとおり、まさに「飲めるレパール料理レストラン」である。ネパール人にも日本人にも人気なので、週末などに複数名で訪問する場合には予約するほうが無難だ。

カスタマンダップ

住所:東京都豊島区北大塚2-7-9 第33東京ビル 5F
電話番号:050-5596-1813
予約可否:予約可
営業時間:11:00~23:30(L.O. 22:30)
定休日:無休
Instagram
https://www.instagram.com/kasthamandap_restaurant
X
https://x.com/kasthamandap4

記事を書いた人

大谷悠也
大谷悠也

鮨研究家、文筆家、ブロガー。鮨の人気を高めるべく「すしログ」を運営し、全国を精力的に回る。鮨に限らず、旺盛な食欲と好奇心を腹に、日本国内外で6,000軒以上の飲食店を訪問。市場や生産者、醸造家のもとに足を運び、自ら調理も行う。

すしログ
https://sushi-blog.com/

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