大手メーカーとご当地メーカーがつくるヨーグルトの違いや、コンビニとスーパーの品ぞろえの違いなど、少しずつ日本のヨーグルト事情がわかってきました。すると気になるのが海外です。
今回は、パリ近郊にフランス人男性と二人の子どもと暮らす、フランス在住延べ18年になる日本人女性の特派員から、ヨーグルトルポが届きましたので紹介します。
トップの写真は、有名な高級スーパー「ボンマルシェ」のヨーグルト売り場。写真の棚の他、瓶に入ったヨーグルトだけの棚も入れると3面にびっしり並んでいます。選ぶのも楽しみ!
チーズだけじゃなかった!ヨーグルトもフランス人の日常食
フランスといえばワイン、フランスパン、チーズなどのイメージがまずは真っ先に出てきますよね。チーズはフランス人にとって食事の締めのマストアイテムです。
そして同じ乳製品仲間であるヨーグルトを食す頻度も日常生活の中でかなり高いといえるでしょう。
朝食以外にも、おやつや食後のデザートにも重宝されるヨーグルト。
さすがにチーズとヨーグルトを同じ一回の食事で取ることは稀ですが、わが家の冷蔵庫の中には4個パックのヨーグルトが2セットは常備してあります。
ヨーグルトからフレッシュチーズまで圧巻の陳列
さて、街中のスーパーマーケットに行くと、このように乳製品がずらりと並んでおり圧巻!
こんなたくさんの種類があるのにも関わらず、棚の前で悩んでいる人はほとんどいません。わが家も然り。ほとんどの方は銘柄が決まっているのか、それぞれの「いつものアレ」をサッと手に取り、レジに向かっていくようです。
この棚、全部がヨーグルトなわけではありません。どのような種類があるのか主なものをご紹介しますね。
まずは定番のヨーグルトから。
ヨーグルト(仏語:Yaourt「ヤウート」)
※ちょっと言いにくいですが、これが言えればフランスでヨーグルトを無事入手できます!
はじめから容器に入れて発酵・凝固させたものをヨーグルトYaourt、タンク内で発酵させ、混ぜた後に容器に移したものをヨーグルトBrassé(かき混ぜるの意味)と言います。Brasséはより滑らかな食感。
ミルクの種類は、牛乳以外にもヤギ乳(chèvre) 、羊乳(Brebis)、豆乳由来のものなど日本より豊富。有機栽培由来のBioや、低脂肪のものもありますよ。
味の種類はプレーン、果物系 (いちご、木苺、ブルーベリー、アプリコット、桃、マンゴー、レモン、ココナッツ、マロン)、バニラ風味など、とっても豊富です。
果物系は果肉入りタイプと果肉なしでフレーバーが混ざっているタイプや、下に果物のソース、上にヨーグルトと2層の混ぜながら食べるタイプなど色々。
そしてようやくここ数年で飲むヨーグルトのバリエーションも増えてきました。
個人的に最近一番好きなのはこちら!
パリから南西郊外へ17km程のところにある酪農家兼農家の「Petit Saclait」が作っている地産地消のヨーグルトBrasséで、マロンペースト入り!
ヨーグルトが滑らか〜でとっても美味しいのです。。牛を300頭も飼っているそう。
私の一押しはこちら:Petit Saclait(仏語公式サイト)
フロマージュ ブラン(仏語:Fromage blanc)
直訳すると白いチーズの意。フレッシュチーズの意味の「フロマージュ フレ」ということも。
乳酸発酵または酵素発酵によってでき、チーズが作られる過程できるフレッシュチーズの一種。
脂肪分は大体3%あたりのものが多く、味わいは比較的マイルドで、蜂蜜やジャムを入れて食べることも。
ヨーグルトのように学校給食にも出てきます。また、あさつきに似ているネギ系のハーブ・シブレット(チャイブ)などを刻んで混ぜ込み、アペリティフに活用することも。
プティ スイス(仏語:Petit Suisse)
フレッシュチーズの一種。こちらは日本では見かけないタイプではないでしょうか。円筒状の形状で一つずつが紙に包まれていて、6個入りか12個入りで販売されています。
名前にスイスとありますが、フランス北部ピカルディー地方が発祥で、酪農家のスイス人が改良したレシピを敬してプティ スイス と名付けたそうです。
コンパクトで栄養価が高いので、離乳食には欠かせません。自家製りんごのコンポートを混ぜ込みながら柔らかくしたりと一工夫させ、離乳食時にわが家の子供達も大変お世話になりました。
今回は12個入りを買ってみました。5年前辺りまでは紙の箱入りだったのですが、ここ最近はプラスチック容器に。個人的にはあの昔ながらの感じが好きだったので、なんだか少し寂しさありです。
ただ、容器から出すと今でも紙に巻かれた円筒状のプティスイスが出てきます。蜂蜜をたっぷりかけて、おやつに頂きました。美味しかった〜。
ラ フェッセル(仏語:La Faisselle)
容器の中が二重構造になっていて、内側がカゴの様になっています。
水分を少しずつ切りながら食べるタイプで、カゴを持ち上げると下にホエーの様な液体が。
見た目通り、ミルクの塊が残っています。酸味しっかりめ、口の中でも塊の食感があり、チーズ作りの初期段階を思わせます。蜂蜜などをかけたくなる感じです。
スキール(仏語:Skyr)
昨年あたりから売り場面積を拡張しつつあるのがアイルランド発祥のSkyr。低脂肪(0%のものも)、高タンパク質が売りで普及中。
ブルーベリー味は酸味と果物のバランスが良く、絶品でした!
お値段は、他に比べ気持ちお高いですが、自分へのちょっとしたご褒美アイテムに決定。
ギリシャ ヨーグルト(仏語:Yaourt Grec)
ここ5年くらいで増えて来た印象のギリシャヨーグルト。
こちらの写真のギリシャヨーグルトは、ギリシャ北部の牛乳使用で、脂肪分10%と他より高めです。ヨーグルトより水分少なめで酸味が少し立っている印象。
以前より気になっていたMavrommatisは地中海・ギリシャ料理をガストロノミー界に持ち込んだ創業1981年のブランドです。
ケータリング、ブティックの他に、パリにはミシュランガイド一つ星レストランも経営される力の入れよう。レストランの最新デザートには いちごと羊乳のギリシャヨーグルト(bio)のチーズケーキ風にオリーブオイルをかけて仕上げる素敵な一品も!かなり気になります。
以上、今回はパリの街中で購入できる4種と、最近流行りの外国ブランドの2種の計6種類をご紹介しましたが、他にもシリアル入り、チョコチップ入りなどのスピンオフ系もあり、いかにフランスでヨーグルトやその他重要視されているかが伝われば良いなと思います。
また、もちろんヨーグルトメーカーで自家製ヨーグルトを作る家庭もあります。
友人のフランス人マダムは、ランチ会の最後にチーズ兼デザートのアイテムとして自家製名物ヨーグルトをいつも振る舞ってくれます。
皆様、フランスにお越しの際には色々な種類を是非試されてみて下さい。そしてお気に入りの一品をお聞かせ頂けると嬉しいです。
最後はわが家のお気に入り。そだち盛りの子どもがいるので、これで5日分くらいです。
では……ア ビアント!(またね!)