日々の食卓を彩る身近な存在であり、国や地域、個人によってさまざまな楽しみ方があるヨーグルト。
この連載では、料理家やエッセイストによる、ヨーグルトにまつわるエピソードやレシピを、リレー形式でお届けします。
今回レシピを紹介してくれるのは、超料理マニアな料理人の東山広樹さんです!
ヨーグルトはそのまま食べてもすごく美味しいですが、<調味料>として捉えた時に、他の調味料にはない、唯一無二の素晴らしい個性を持っているのです!
僕がヨーグルトの調味料としての特性として素晴らしいと感じているポイントは以下の通り。
- 旨味のもととなるアミノ酸を含んでいる
- 塩分を含んでいない
- 穏やかな酸味がある
- 油脂のコクを含んでいる
- ゲル化している
- トロッとした粘性がある
この特性全てを兼ね備えた調味料は他にないと思っています。
まず旨味についてですが、ヨーグルトは発酵食品のため豊かな旨味がベースにあります。そのため、塩を加えただけでも味がとがらず、丸い味にしてくれます。
そして、塩分を含んでいないことが調味料的にはかなり素晴らしい特性なのです! つまり、自分で塩分濃度を自由自在に設定できるのです。塩分濃度を高めにして、少量で効くソースにもできますし、塩分濃度を低めにして具材にたっぷり絡めて食べるリッチなソースにもできます。
そして、粘性があるため他の調味料とも混ざりがよく、酸味&油脂のコクがあるのですごく味がまとまりやすい!
今回、これらの特性を生かしてドレッシングを作ります!
ドレッシングは、酢・油脂・塩、を混ぜ合わせて作るものですが、ヨーグルトには元々酸味&油脂のコクがあるので、理論的には塩を加えるだけでドレッシングとしての要件を満たします!
しかもドレッシングは水分と油分を混ぜ合わせて乳化させることに苦労しがちですが、元々とろみがついているヨーグルトは素晴らしく作りやすいです!
【ヨーグルトツナソースをたっぷりまぶして食べるトマトサラダのレシピ】

材料
- トマト:2玉
- ツナ缶:1缶
- (A)ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルトでも可):50g
- (A)塩コショー:小さじ1/2
- (A)オリーブオイル:小さじ2
◆仕上げ
- オリーブオイル:適量
- ブラックペッパー:適量
作り方
- トマトを1/8サイズのくし切りにして皿に盛る
- ツナ缶の油を切り、ボウルに入れる
- ②に(A)を混ぜる
- ①に③をかける
- 仕上げにオリーブオイルをかけ、ブラックペッパーを散らす

これだけでフランス料理コースの一品級の料理になります!
ツナの旨味とヨーグルトの旨味が合わさり、とても豊かな味わいに!塩分も控えめなので、トマトにソースをたっぷりまぶしてお召し上がりください!
リレーエッセイ、次回は料理家の横田睦美さんが登場します。
お楽しみに!