日々の食卓を彩る身近な存在であり、国や地域、個人によってさまざまな楽しみ方があるヨーグルト。
この連載では、料理家やエッセイストによる、ヨーグルトにまつわるエピソードやレシピを、リレー形式でお届けします。
今回レシピを紹介してくれるのは、パン研究家の池田愛実さんです!
パン屋さんで働いていたころ、夏になるとパンが売れにくくなる…というのが通説でした。
ごはんよりも断然パン派の私は、通年パンが食べたいのですが、確かに暑い季節は、口の中の水分を奪うパンはちょっと食べにくく感じるのかもしれません。
パン教室を主宰するなかで、「暑い季節でも生徒さんが食べやすいレシピを…」と考えて生まれたのが、このヨーグルトチーズクリームです。材料を混ぜるだけで簡単にできます。
ヨーグルトならではのさわやかな酸味と滑らかな口どけが特徴で、まるでレアチーズケーキのような味わい!
ヨーグルトチーズクリームパン
材料

- ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルトでも可):20g
- 無塩バター:10g
- クリームチーズ:15g
- 砂糖:5g
- レモン汁:2g
作り方

1. 無塩バターは室温に戻しておく。
2. ボウルに全てを入れてホイッパーでよく混ぜる。
3. 食パンなどに乗せる。写真は刻んだアーモンドとはちみつをかけたもの。
トーストしないそのままの食パンに、クリームを冷蔵庫でしっかり冷やして乗せるのがおすすめの食べ方。
ベリーなどのフルーツを添えたり、刻んだナッツに蜂蜜をかけても相性抜群です。クリームの水分のおかげでパンもするする食べられます。

実は私、今年はマレーシアに滞在していまして、気温はだいたい20℃後半~30℃前半と日本の夏のような気候です。そんななかでも、このヨーグルトチーズクリームは食欲増進してくれる強い味方です。
少しだけマレーシアのヨーグルト事情もご紹介しますね。
マレーシアは熱帯気候のため、酪農に適した地域は限られていて、乳製品の自給率は高くありません。ニュージーランド、オーストラリア、オランダなどからの輸入品が多く出回っていて、高価ですが、そのぶん種類が豊富なんです。
移住当初は、酸味が強すぎたり、ザラついた舌触りのものに出会ってしまい、好みのヨーグルトを見つけるのに少し苦労しました。最近では、オーストラリア産の乳製品がお気に入りでよく購入しています。
なぜか水分の少ないギリシャヨーグルトが日本よりもメジャーなようで、さまざまな商品が並んでいます。
今回のヨーグルトチーズクリームもギリシャヨーグルトを使いましたが、もし手に入らない場合は、コーヒーフィルターなどで水切りしたヨーグルトで代用して作ってみてくださいね。
リレーエッセイ、次回は「フランス文化エッセイスト」のペレ信子さんが登場します。
お楽しみに!