酸っぱさにびっくり!オランダらしいカルネミルク(Karnemelk)と、しゅわっと爽快なケフィア(Kefir)
ここからは飲み物系の発酵乳の話です。まずは「オランダ人の朝食と言ったらカルネミルク!」というくらい定番の飲み物、カルネミルク。英訳はバターミルク(Butter milk)があてられます。
元々はバター作りの副産物で、生乳を放置して乳脂肪を分離した残りの酸っぱい液体がバターミルク(=カルネミルク)でした。しかしバターの製法も変わり、現在のカルネミルクはバターの副産物ではなく、低脂肪乳を乳酸発酵して作っているようです。
コップに注ぐとさらっとしていて、ヨーグルトよりも酸味は強め。ひと口目の印象は「消費期限切れてた?」という疑惑。飲み慣れない酸味があります。
慣れるとわるくないのですが、好き嫌いの分かれる味。定番の飲み物ながら、売場の高い棚の最上段に押しやられていることが多く、取ろうとするといつも届かなくて苦労します。
しゅわっと微発泡。ケフィア(Kefir)はコーカサス生まれの発酵乳
コーカサス生まれの発酵乳。日本でも90年代に「ヨーグルトきのこ」の名前で流行ったことがありました。こちらも牛乳パックに入って売られています。
コップに注ぐとカルネミルクのようにさらっとしていて、飲むとつんとした酸味と炭酸のような刺激があります。
ケフィアの特徴はこの微発泡感。発酵の際に、乳酸菌だけでなく酵母も働くので、炭酸ガスが発生するのです。夏に飲みたい爽やかドリンクです。
広すぎる、オランダのヨーグルトの世界!
これらの商品を買って実食して紹介するまでに、ひと月かかってしまいました。
さらにそれぞれの商品についてラクトースフリーやオーガニックの付加価値商品があり、片手でぎゅっと握って食べられるパウチ型のものやトッピング付きのものまで形状も色々あって、乳脂肪分違いやフレーバーつきのものまで含めたら棚にあるものすべて実食するのに一年くらい平気でかかってしまいそう。発酵乳の豊富さにめまいがします。
一方で、すべてを生活の中で食べている人なんてそうはいないんだろうなという予感も。というのも、オランダは世界中から移民が集まる国ということもあってか各国の発酵乳がありますが、「トルコヨーグルトとギリシャヨーグルトの違いは何?」「ケフィアは買ったことない」などという話を聞きましたし、「オランダのものだけどカルネミルクはきらい」という人も。
ほかにも、アニマルウェルフェアや環境や体調の観点から植物性ミルクを選ぶ人も多く、植物性ヨーグルト(の仲間)の種類も豊富です。豆乳、ココナッツミルク、オーツミルクのヨーグルト・豆乳のクワルク・ギリシャヨーグルト・フルーツ味も。一つ一つ紹介したいところですが、また今度にします。
それぞれの生活の中で好きなものを選んで生活に取り入れているのでしょう。私も、一通り試して今はクワルクに落ち着きました。まさかこんなにも毎日クワルクを食べるようになるなんて。朝食だけでなく、小腹が空いた時にも食べるようになり、おやつ習慣がヘルシーになりました。
日本でも近年、様々なヨーグルトの仲間が買えるようになりました。発酵乳は、お肉や魚に比べてたんぱく質を手軽にとりやすいもの。普段は食べない商品にトライしてみたら、案外気に入って、新たな食習慣になるかもしれませんよ。