毎日の食卓に登場するヨーグルト。お気に入りの商品や、そのおいしさや魅力をSNSで伝えたい!と写真を撮ったら、あれ、いまいちバエないぞ…? そんな経験はありませんか。
そう、実はヨーグルトって撮影が難しいんです。
その理由はまず「白い」ということ。なぜなら被写体が白いと、色が飛んでしまったり、逆に暗くなったりしがちなのです。また、表面がのっぺりとしているので、焦点を合わせにくいのも悩ましい…。
ならば、実物よりもおいしそうに見せるプロは、ヨーグルトを撮るとき何を意識して撮っているのでしょうか? 現役で活躍するスタイリスト&フォトグラファーに、誰でも再現しやすいよう、スマホでヨーグルトを撮るコツを教わりました。
[教えてくれた人]
さくらいしょうこ先生
[教えてくれた人]さくらいしょうこ先生
カフェで働いていたとき、メニュー写真を撮ったことをきっかけに、料理のスタイリング&撮影を勉強。フードコーディネートもできるカメラマンとしてひっぱりだこに。現在は広告や料理本の制作で活躍中。
毎朝の食卓か、スタイリッシュなカフェか? 最初に「撮りたい世界観」をイメージしよう
撮影というと、シャッターボタンを押す行為そのものをイメージするかもしれません。しかし「おいしそうに撮る」となると話は別。そのプロセスを紐解くと、①うつわ&布選び、②光の当て方、③構図と盛りつけ、④撮り方という4つのポイントがあります。
例えば、いつもの朝の食卓にあるプレーンヨーグルトと、スタイリッシュなカフェで楽しむお洒落なヨーグルトでは、雰囲気や世界観が違いますよね。そのため、最初にやるべきことは、自分がどんな世界観を表現したいか、撮る前にイメージすることなんです。
仮に、暮らしの雑貨店『ナチュラルキッチン&』のサイトのような雰囲気で、朝のヨーグルトの食卓を見せるなら、どんなうつわや小物がいると思いますか?
一例ですが、私ならぽってりとした厚みのある白いうつわに盛り付け、木製のスプーンを添えてみます。
また、朝食にはジャムや蜂蜜を添えたり、紅茶など温かい飲みものを用意しますよね。こうした周辺の小道具も、世界観の表現につながります。
一方、スタイリッシュなカフェで楽しむお洒落なヨーグルトを表現したければ、おなじうつわや小物ではその世界観は伝わりません。
例えば、薄背のガラスのうつわに華奢なスプーンを合わせたり、金属の下皿を組み合わせると、シャープなイメージが演出できますね。
麻の布は万能選手!面積が大きいクロスで印象をコントロール
うつわはテーブルに直接置くよりも、布(クロス)を使うとよりそれらしい雰囲気を表現できます。
撮影の現場ではスタイリングボードという撮影用の板を使うこともありますが、手近で収納しやすく、雰囲気を出せるという点でおすすめなのが、麻(リネン)の布。
ナチュラルな雰囲気ならベージュ系、スタイリッシュなカフェの雰囲気をつくるなら、グレーや、紫とグレーの中間色がおすすめです。織り目が比較的わかりやすく質感があるので、独特の風合いを出すことができます。
撮りたい世界観を表現するうつわが決まったら、次は光です。デジカメやスマホが普及する前から、撮影は光を扱う仕事でもありました。次のページでは、照明を使わずにそれらしい光をつくる方法をご紹介します。
「世界観作り」のポイント
- うつわは厚みがあるとナチュラルに見え、薄手だとスタイリッシュに見える。
- 麻布(リネンのクロス)は雰囲気の演出に役立つ!