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洗練とセンス極まるインド料理。神楽坂「想いの木」の巧みなヨーグルト使いに感嘆!

外で食べる 2024.10.25

洗練とセンス極まるインド料理。神楽坂「想いの木」の巧みなヨーグルト使いに感嘆!

こんにちは。筆者は「すしログ」という鮨専門サイトを運営しつつ、国内外の料理を食べ歩いて20年の「食の変態」大谷だ。食のために世界を放浪し、石毛直道先生を敬愛して文化人類学を専攻。食べ歩くだけではなく自ら料理することを是としている。

今回ご紹介する「想いの木」は、神楽坂にあるインド料理レストランだ。こちらは日本人オーナーの感性が光る店で、インド人シェフが他にない味わいを生み出している。筆者は数多くのインド料理店を訪問しているが、どことも異なる味わいに感動した。

インド料理レストラン 想いの木

ヨーグルトを用いたカレーやタンドリーチキンは一体感が抜群で、上質。また、他にもチーズを活用した料理が多いので、ヨーグルトが好きな人なら高確率でヒットするはずだ。特に自家製のパニールは語弊無く世界で一番美味しいパニールなのではないか?と思ったほど。

それでは、「想いの木」の魅力を、お伝えしよう。

こんなインド料理店があったのか!日本人オーナーの感性が光るこだわり尽くしのレストラン

インド料理レストラン 想いの木

「想いの木」は、調理技術、食材力、センスを兼ね揃えた素晴らしいインド料理店である。筆者はランチで一度訪問して舌鼓を打ったものだが、ディナーでグレイビーを頂いたところ更に美味しくて感銘を覚えた次第だ。

調理上の特徴としては、油が軽いのに満足感はバッチリである点だ。塩気も然り。油脂と塩分がコントロールされているので、個々の食材の風味や旨味が活きていて、複雑なスパイスの香りを爽快に楽しめる。

また、食材力については日本人オーナーらしく輝いている。メニューを見ると、豚肉が梅山豚であったり、なんとサフランライスが魚沼十日町産であったりと、グルメな方なら「おお!」と思う上質な食材を使用されている。

かつてランチで頂いた際には、カレーリーフがフレッシュである事に信頼を覚えた(カレーリーフはドライとフレッシュで香りが別物である)。そして、今回ディナーで頂き、使用しているトマトの美味しさを強く実感した。

トマト缶ではなくフレッシュトマトを使用されているようで、旨味、甘味、酸味、香りが良い。特にトマトの旨味が活用されていて、グレイビーは少量を口に運んでも「旨い」と感じるほどである。

さらには、個人的に驚いたのがタンドール窯の熱源が紀州備長炭で、しかもウバメガシが原料である点だ!高級な鰻屋さんや会席料理、茶道などで用いられる高級備長炭を惜しみなく使用されているとは驚嘆に値する。

それでは、実際の料理のレポートをお届けしよう。

調理技術×食材力×センスから生まれる唯一無二のインド料理を紹介!

「想いの木」で頂いた料理は以下のとおりだ。

  • しあわせ薫るチーズナン・フルムダンベールの薫り:1,300円
  • パニールティッカ:2,480円
  • タンドリーチキン:1,800円
  • 梅山豚(メイシャントン)のキーマカリー:2,880円
  • マラバリシーフードカリー:2,980円
  • サフランライス:580円
  • 生ビール熟撰:880円
  • カセドラルセラー(南アフリカ):1,080円
しあわせ薫るチーズナン・フルムダンベールの薫り 1,300円
しあわせ薫るチーズナン・フルムダンベールの薫り 1,300円

「チーズナン」と聞いて浮かべる姿とは大きく異なるが、味わいは一般的なものを超える。香りも味も秀逸で、ブルーチーズのコクとフルーティーな香り、辛味がたまらない。

生地はもっちりで、底面はカリカリ。いやあ、余韻が実に長い!実に美味しい。神楽坂にあるチーズの名店「アルパージュさんが認めた逸品」との謳い文句だが、心底同意である。

パニールティッカ 2,480円
パニールティッカ 2,480円

インドらしいチーズと言えば、パニールだ。それを自家製されているとは素晴らしい。まず、お料理が届いた時の香りが良い。スパイスの香りと窯焼きの香り、それらが食欲を刺激する。

いざ頂いてみると、ふわっとしたテクスチャーに驚愕する!焼き方も独特で、パニールの芯まで火を入れつつ、表面はカリッと仕上げられている。そして、食感の後に旨味と酸味が広がる。スパイス、酸味、旨味、食感の全てが他にない美味だ。

正直なところ、初めてパニールを美味しい、味わい深いと思った…!!ヨーグルトとスパイスに漬け込んで焼いている上に、ヨーグルトに似たテイストを持つパニールなので、これはヨーグルト好きなら必食と断言する。付け合わせのグリーンチャトニも香り、辛味、塩味が洗練されている。

タンドリーチキン 1,800円
タンドリーチキン 1,800円

言わずと知れた、鶏肉をスパイスとヨーグルトでマリネしてタンドール窯で焼き上げる名物料理。凝縮感とジューシィさを両立する焼き加減で、噛みしめるとスパイスの香りや辛味が広がり、ヨーグルトの酸味が上品かつ爽やかに調和する。

食感が絶妙で、みっしり、むっちり、ホロホロとグラデーションがあり、これは備長炭が奏功しているのだと思う。香りも良く美味しいタンドリーチキンだ。

サフランライス 580円
サフランライス 580円

魚沼産コシヒカリを使用しているので、もっちり感がありつつ油を効果的に使ってぱらりと仕上げている。米の食感と甘みは日本らしく、それでいてスパイスが効いたカレーにも合う。ライスがサフランライス一択で不思議に思ったが、頂くと納得する。

梅山豚(メイシャントン)のキーマカリー 2,880円
梅山豚(メイシャントン)のキーマカリー 2,880円

“幻の豚”とも呼ばれる希少品種、梅山豚をキーマカリーに使用するとは凄い。梅山豚らしいタフな食感の粗挽きの挽き肉で、コクが強い。肉の確かな旨味を感じるキーマカレーだ。

料理が持つ香ばしさとビターネス、そしてトマトの旨味が印象的である。グリーンカルダモンに加えてビッグカルダモンも使用していて、味わい深くとも爽快な香り。キャラメリゼを思わせる香りはタマネギのメイラードか?それともフェヌグリークの香りか?ポーションが大きいのも非常に嬉しい。

マラバリシーフードカリー 2,980円
マラバリシーフードカリー 2,980円

テンパリングしたホールスパイスの強い香ばしさがふわっと広がり、ヨーグルトの酸味がスッキリと味をまとめる。しかし、ヨーグルトが前面に出てこない点に高い技術とセンスを感じる。初手ではサラッとしているように感じるものの、実際には軽く乳化したテクスチャーなのでコクを感じやすくて味わい深い。こちらも旨味が強い。

具のホタテは日本人向けのしっとり火入れで嬉しい。大きな海老もまたしっとりしていて甘く、香りが良い。このグレイビーは特にサフランライスとの相性が抜群であった。

生ビール熟撰 880円
生ビール熟撰 880円

一杯目のお酒はビール。

カセドラルセラー(南アフリカ) 1,080円
カセドラルセラー(南アフリカ) 1,080円

白ワインは【サンタ・ヘレナ(チリ)】もあり、ともにシャルドネとのこと。頂いたものの方がタンドリーチキンに合うと談であったが、正に。ヨーグルト感のある香りなので確かにピッタリであった!

人気を誇るお店なので、予約は必須です。お昼は予約ができないので、休日は早めの到着が望ましいです!

想いの木

住所:東京都新宿区神楽坂5-22 KS神楽坂2F
電話番号:03-3235-4277
予約可否:予約可(ディナータイムのみ)
営業時間:11:30~14:30(L.O. 14:00)、17:30~21:30(L.O. 20:45)
定休日:月曜 ※月曜が祝日の場合、翌日火曜が定休
お店の公式サイト
https://omoinoki.com/

記事を書いた人

大谷悠也
大谷悠也

鮨研究家、文筆家、ブロガー。鮨の人気を高めるべく「すしログ」を運営し、全国を精力的に回る。鮨に限らず、旺盛な食欲と好奇心を腹に、日本国内外で6,000軒以上の飲食店を訪問。市場や生産者、醸造家のもとに足を運び、自ら調理も行う。

すしログ
https://sushi-blog.com/

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