日々の食卓を彩る身近な存在であり、国や地域、個人によってさまざまな楽しみ方があるヨーグルト。
この連載では、料理家やエッセイストによる、ヨーグルトにまつわるエピソードやレシピを、リレー形式でお届けします。
今回レシピを紹介してくれるのは、料理人・飲食店プロデューサーの稲田俊輔さんです!
ケバブというのは中東やインドで香辛料に漬け込んで焼いた様々な肉料理の総称です。日本でも最近は、ドネルケバブなら比較的どこでも食べられるようになりました。
しかしちょっと残念なのは、日本のケバブ屋さんのソースのほとんどがマヨネーズとケチャップがベースのいわゆるオーロラソース的なものであることです。
その方が日本人に好まれやすいだろうという彼らの判断は決して間違ってはいなかったような気もしますが、やはりそこは伝統的なヨーグルトソースで押し切って欲しかった、というのが正直な気持ちです。
とは言え、あのオーロラソース風にはあれはあれの良さもあり、現実問題、日本人はそれにすっかり慣れています。
そこで今回は、ヨーグルトをベースにしつつケチャップも加えた、ごはんによく合うヨーグルトソースを作りました。
しかし中には「いやもっとガチなヨーグルトソースを!」と望む方もいらっしゃるかもしれないので、よりオーセンティックなケバブソースのレシピもここに置いておきます。作り方は材料を混ぜるだけです。
【伝統的なヨーグルトソースのレシピ】
- ヨーグルト:100g
- オリーブオイル:10g
- おろしにんにく:5g
- 塩:1g
ケバブの焼き方は、本来であれば強火の遠火で、決してレアではなく完全に焼ききることが重要です。ドネルケバブの焼き方は、その現代版といったところです。
ところがこれが家庭ではなかなか難しい。
なので今回はフライパンを使って、それに限りなく近い仕上がりを目指す焼き方をご紹介します。
レシピの方に細かい焼き方は書いておきますが、ポイントとしてはごくシンプルな話で、裏面は焼き目がしっかり付くまで焼き、スパイスをまぶしたオモテ面はニンニクなどが焦げないようにさっと焼いた後、余熱で完全に火を通すということです。
そこさえ守れば、正直なところテキトーに焼いてもどうやったっておいしく仕上がるはず。もしコンロに温度管理機能が付いていたら、160℃に設定して放っておくだけで、より簡単確実に焼けます。
飲み物は、トルコのヨーグルトドリンク「アイラン」がおすすめです。
こういった肉料理には特によく合うので、ぜひこちらもご一緒に!
ケバブライス&ごはんに合うヨーグルトソースの作り方
材料
[ケバブ]
- 牛肉(ステーキ用):300g
- おろしニンニク:6〜8g(にんにく2片分のおろしニンニクから、ソース用に2g取り分けた残り)
- ◼️ 塩:4g(小さじ2/3)
- ◼️ コショウ:1g(小さじ1/2)
- ◼️ クミンパウダー:1g(小さじ1/2)
- ◼️(省略可)コリアンダーパウダー:1g(小さじ1/2)
- ◼️(省略可)ドライオレガノ:少々
[ケバブソース]
- ヨーグルト:100g
- トマトケチャップ:50g
- おろしニンニク:2g
- 塩:1g(ひとつまみ)
- コショウ:0.5g(小さじ1/4)
- クミンパウダー:0.5g(小さじ1/4)
- (省略可)コリアンダーパウダー:0.5g(小さじ1/4)
- (省略可)ドライオレガノ:少々
[その他]
- ごはん:お好きな分量
- 生野菜:お好きな分量
作り方
- ◼️の材料を合わせてスパイス塩をつくる。
- 肉の片面におろしにんにくをすり込む。
- ①のスパイス塩も同じ面にすり込む。すぐに焼き始めてもよいが、できれば30分〜一晩、ラップで覆っておいておく。
- 冷たい状態のフライパンにサラダオイル少量(分量外)をひき、③の肉をスパイスの面を上にしてぴったり貼り付けるようにおいて中火で5分焼き、弱火に落とす。
- そのまま弱火で10分程度焼き、下面にこんがり焼き目が付き、上面を触ってほんのり暖かくなっていたら裏返してそのまま1分焼き、火を止めて蓋をし、手で触れるくらいの温度になるまで5分程度おいておく。
- 肉を薄く削ぎ切りにしたものをボウルに移し、フライパンに残った焼き汁を脂ごと全てそこに加えて、肉に吸わせるように全体を混ぜる。
- ケバブソースの材料を全て混ぜ合わせる。
- ライスと共に⑥のスライスケバブを盛り、ケバブソースを添える お好みでレタスやトマトなどの生野菜も添え、混ぜながらいただく。
リレーエッセイ、次回は料理研究家の“ジョーさん。”が登場します。
お楽しみに!