押上（スカイツリー前）駅直結の「東京ソラマチ」に期間限定オープンしたヨーグルト料理の店「エッグル」。

ヨーグルトにポーチドエッグを合わせた新感覚グルメとして話題となっている同店の店長に、この料理の開発秘話や自宅などで作る際のコツを、お店を訪問して聞いてきました。

卵をつかった海外のヨーグルト料理がヒント

店名にもなっている「エッグル」とは、エッグ（卵)とヨーグルトを合わせた新メニューの造語。
ヨーグルトの新しい食べ方を研究する中で生まれたのが「エッグル」だったそう。店長の矢車美幸さんが詳しく教えてくれました。

矢車美幸さん（以下、矢車）「ヨーグルトに着目したのは、健康的な発酵食品の代表であることが背景にあります。日本人になじみ深いことも理由ですが、食べるシーンは朝食やおやつどきにシリアルやフルーツ、ジャムやハチミツと合わせるようなスタイルが多いですよね。それ以外のランチやディナーにも、ヘルシーでおいしいヨーグルト料理を提案したいと思って開発したのが『エッグル』です」

開発には矢車さんも参加。アイデアの参考になったのは、東欧や中東では食事メニューとしてヨーグルトが日常的に食べられていること。
なかでも、ブルガリアの「ヤイツァ・ポ・パナギュルスキ」やトルコの「チュルブル」といった、ポーチドエッグがメインのヨーグルト料理が大きなヒントになったと言います。

矢車「海外にはヨーグルトを使った料理がたくさんあり、なかでも卵との相性は抜群なんです。そしてもうひとつの軸となったのが、水切りヨーグルト。私自身も自宅で作りますが、水切りヨーグルトは日本の家庭でもなじみがありますよね。水を切り食べ応えを高めることで、満足度のある料理に仕上げられることもポイントでした」

「エッグル」は3層構造のレイヤー感が独自のおいしさ

こうして誕生したのが「エッグル」。水切りヨーグルトにツナとアンチョビペーストを混ぜたエッグルソース、その上にポーチドエッグ、プレーンヨーグルトと重ね、カリッと焼き上げたメルバトーストと一緒に味わいます。試食させてもらいました。

自然な塩味がある分、酸味は控えめで、サワークリームのようなヨーグルトが印象的です。ポーチドエッグを割って味わうと、トロッと濃厚な卵のコクが加わって、これまた絶品。

卵の白身とツナの食感や、あしらわれたブラックペッパーのアクセントも相まって、レイヤー感のあるおいしさ。メルバトーストと一緒に味わうと食事としての満足感も得られ、確かにこれは新感覚のヨーグルト料理だと実感しました。

矢車「こだわりのひとつが3層構造なんです。真ん中のポーチドエッグを、オリジナルのヨーグルトソースとプレーンヨーグルトでサンドした構成なのですが、ヨーグルトの味の違いを感じていただきたく、このようなレシピにしました」

「エッグル」を調理する際のコツ

矢車さんは「ご自宅でも『エッグル』は作れます」と言います。その際のコツも聞きました。

矢車「ヨーグルトの水切りは、コーヒーフィルターで濾す方法の他にも、ヨーグルトパックの口にキッチンペーパーでフタをし、輪ゴムで止めて逆さにする方法もありますよ。まずは24時間ほど置いてみてください」

そして、もうひとつのコツはポーチドエッグ。茹で方と、完成後にポイントがあると言います。

矢車「お湯は沸騰させず、60～70℃に温めて鍋に渦を作り、そこに卵を静かに落とします。2～3分ほど茹でたらお玉などで卵をそっとすくい上げれば完成。キッチンペーパーなどで水気を切り、粗熱を取ったら冷蔵庫で冷やしましょう。温かいままヨーグルトと合わせると、熱でゆるくなってしまいますので」

3種のヨーグルトスイーツも絶品

なお、同店には「エッグル」のほか3種のヨーグルトスイーツもラインナップ。
こちらも特徴を教えてもらいました。

矢車「当店では3種類の水切りヨーグルトを用意しており、それぞれ使い分けることで最適なテクスチャーを表現しています。『クレームダンジュ』には柔らかな30％の水切りヨーグルトとメレンゲ、ホイップクリームでふわふわとした優しい口どけに仕立てました」

矢車「『レアチーズケーキ』には50％の水切りヨーグルトを使うとともに、イチゴジャムにホエーを混ぜてヨーグルトとの親和性を高めました。レモンのフルーティーな酸味も特徴です。そして『ティラミス』には70％の水切りヨーグルトとクリームチーズ、コーヒーシロップを染み込ませたクッキー生地で、コク深くほろ甘い味わいに。どれも個性のあるおいしさですので、食べ比べていただけたらうれしいです」

このように、ヨーグルトの未知なる魅力に出合えること間違いなしの「エッグル」。メニューはテイクアウトですが、東京ソラマチにはフリースペースがたくさんあるので、買ってすぐ食べることもできます。ぜひこの機会に、新感覚のヨーグルト料理、試してみてください！