こんにちは。筆者は「すしログ」という鮨専門サイトを運営しつつ、国内外の料理を食べ歩いて20年の「食の変態」大谷だ。
食のために世界を放浪し、石毛直道先生を敬愛して文化人類学を専攻。食べ歩くだけではなく自ら料理することを是としている。
今回ご紹介する「Trattoria Tabule(トラットリア タブレ)」は、横浜・みなとみらいにあるイタリア料理店だ。
お店のユニークな点はイタリア料理に中東・アラブ料理のエッセンスを加えている点である。これはオーナーシェフが「今までに無い新しいジャンルを生み出したい」と考えて編み出されたことにちなむ。
オーナーは二人おり、一人が「La Brianza(ラ ブリアンツァ)」などを複数店運営する奥野義幸氏で、もう一人は「Jean-Georges」や「The Burn」を経て、紹介制のレストラン「No Code」を運営する米澤文雄氏だ。
グルメな方なら知っている有名なシェフで、みんなのヨーグルトアカデミーでも取材したことのあるお二人のプロデュース。
期待を裏切らず、満足度が非常に高い。間違いなく、他にない世界観を楽しめるお店だ。
なお、店名の「タブレ」は中東のサラダのことで、ヨーグルトやキヌアをアレンジしたシグネチャーディッシュにもなっている。
みなとみらいエリアにはグルメな方が満足できるお店が少なく、非常に貴重なお店になるのでは。スタイリッシュな店内は広すぎず、寛げる雰囲気だ。
それでは、「Trattoria Tabule(トラットリア タブレ)」の魅力を、お伝えしよう。
「Trattoria Tabule(トラットリア タブレ)」の特徴とは?
「Trattoria Tabule(トラットリア タブレ)」の特徴は、イタリア料理の中に中東のエッセンスを落とし込んでいる点だ。具体的には、スパイスやハーブの使い方が中東的である。
「ファラフェル」などの「ザ・中東料理」もメニューインしているが、他のメニューにもクミン、コリアンダー、スマックなど、通常のイタリア料理では使わないスパイスやハーブが使用されている。
断言できることは、誰もが初めて出会う味覚と香りに魅了されることだろう。スパイスが好きな人ならばインスピレーションを得られるはずだ。
また、全体的に野菜を用いた料理が多く、それでいて満足感が高い。アラカルトで選ぶと自然と食物繊維をたっぷり摂れる料理が中心となる。
それでいて、男性でも満足できる味付けに仕上げている。また、香りが良いので頂いていて楽しい。
「シグネチャータブレ、ヨーグルトのソース」はキヌアのサラダでヨーグルトも使用しているため「いかにもヘルシー」なメニューだが、調理上の工夫が光る。
「キヌアのサラダ」と聞いて一般的にイメージする物足りなさは皆無だ。
それでは、実際の料理のレポートをお届けしよう。
「Trattoria Tabule(トラットリア タブレ)」のお料理を紹介!
こちらのお店はアラカルトで注文可能だが、コース料理も用意されている。
- 【Lunch】Tasting Course 7品:4,000円
- 【Lunch】Holiday Lunch Course 7品:4,500円
- 【Dinner】Tasting Course 8品:4,800円
- 【Dinner】Special Course 9品:6,500円
僕はお目当ての料理があったため、アラカルトで頂いた。
ポーションが分からないのでお店の方に伺ったところ、アラカルトの場合は「お2人ならば、前菜3~4品にパスタ、メインが良い」との談であった。
僕は前菜3品に加えて、メインの代わりにパスタを2品頂いた。
この度アラカルトで頂いた料理
- シグネチャータブレ、ヨーグルトのソース:1,200円
- 北海道熟成ジャガイモのポテトサラダ、ムール貝とグリーンアリッサ:1,500円
- ファラフェルとビーツとヒヨコ豆のフムス:1,350円
- サルシッチャとブロッコリーのラグーソース フェットチーネ胡桃とトルコスパイスの香:1,800円
- バジルとフレッシュケールのジェノベーゼキタッラ:1,800円
- 白ワイングラス:900円
- オレンジワイングラス:1,000円
- コペルト(パン・席料):350円
「シグネチャー」を名乗るだけあり、お店のコンセプトである中東感がたっぷりな香りだ。そして、レモンの酸味やオリーブオイルの風味、塩気の塩梅などもいかにも中東のサラダ。
キヌア、ブルグル、トマト、赤玉ねぎ、キュウリなど食材は具だくさんで、ハーブはミントやパセリ、そこにリンゴの甘味が絶妙にマッチする。
使用されているヨーグルトは水切りしているようで、粘度が高く、コクがたっぷりだ。
最初にサラダ部分を頂き、途中からヨーグルトを混ぜていただくのが良いだろう。
またヨーグルトに中東のスパイスであるスマックをかけている点が面白い。スマックは酸味があるので、日本人は「シソ」をイメージするかもしれない。
また揚げたキヌアを用いることで、ガリガリした食感と香ばしさを加えている点が楽しい。
スマックとヨーグルト、揚げたキヌアの組み合わせは記憶に残る味わいで、数日後にまた頂きたくなるほどだ。
コペルトのパンは、ピタパン。
前菜でするすると食べてしまうので、要注意である。
爽やかな見た目に反して、意表を突かれる味わいのサラダだ。
2年間熟成させたジャガイモ(メイクイーン)は非常に甘く、とろんととろける。
そこに、クミンやフェンネルなどのスパイスの香り、マイクロハーブのコリアンダーの香りが一体化。ムール貝の旨味も活きて、面白い味の組み合わせだ。
いただく前からクミンの香りと揚げによる香ばしさが漂う。頂いてみると期待を遥かに超える美味しさ。表面はガリッガリで、中は粗いという食感が実に楽しいファレフェル(中東発祥のコロッケ)だ。
個人的にファラフェルは肉いらずの傑作アラブ料理だと思う。
さらに、コペルトのピタパンで挟むと最高だ!
さらにタブレのヨーグルトも合わせると幸福度が更にアップする!
ファラフェルとフムスに酸味が加わることで、味の奥行きが出るためだ。
別のプレートの料理を組み合わせることは、多くの日本人の発想にないかもしれないが、これらは前菜料理であり、中東料理の流儀的に組み合わせることは何ら問題ない。
自由な発想、各々の好奇心に基づいて組み合わせて遊んでみて欲しい。
パスタの中で「中東イタリアン」を強く表現している一品だ。
ピスタチオのデュカ(中東のミックススパイス)を使用しており、香りが通常のイタリアンになく面白い(米澤シェフはご自身のレストラン「No Code」でも使用されているそうだ)。
ジェノヴェーゼにはバジルだけでなくケールも使用されているためか、清涼感を感じさせ、油も重たくない。デュカに使用されているピスタチオの香りと脂分、コクも追い風となっている、美味しい創作パスタだ。
キタッラももっちりした食感で噛みごたえがある。岡山県の「富士麵工房」が作るバスタ用の麺を使用されているそうだ。
こちらも「トルコスパイス」の独特の香りが広がり、予想外のピリ辛味が個性的だ。
とは言え、コクが強く、クセはないので、多くの日本人が好きな方向性だ。
ソースの中でブロッコリーの香りと甘味が活きる。
ナッツのコクを効果的に用いる点がキタッラともども面白い。フェットチーネも実に歯応えの良い麺である。
ワインはグラス単位で気軽に頂ける。
お店はオープンから早々に人気を博しているようで、事前の予約が望ましい。
特に開店時はお客さんが集中し、予約客を優先的にご案内されるので、遠方から訪問する方は予約が必須と言えるだろう。
Trattoria Tabule
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい4-2-1 LIVING TOWN 1F
電話番号:045-307-6333
予約可否:予約可
営業時間:
【ランチ】12:00〜15:00(L.O 14:00)
【ディナー】17:30〜22:30(Food L.O 21:00 / Drink L.O 21:30)
定休日:水曜
お店の公式インスタグラム
https://www.instagram.com/tabule_trattoria/