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【チキンカレーレシピ付き】スパイスのプロ・シャンカールさんが教える 本場インドのヨーグルトとカレーの美味しい関係

ヨーグルトラボ 2023.01.23

【チキンカレーレシピ付き】スパイスのプロ・シャンカールさんが教える 本場インドのヨーグルトとカレーの美味しい関係

インド人の祖父を持ち、スパイスの専門家として活躍されているシャンカール・ノグチさんに、3回目の今回はカレーとヨーグルトの関係についてお聞きしました。

インドといえば、カレーを思い浮かべる人も多いでしょう。カレーとヨーグルトの合わせ方や地域ごとの違いなど、カレーとヨーグルトの関係を深堀りしていきます。

今回のテーマに沿って、シャンカールさんからはヨーグルトを使ったチキンカレーのレシピも教えていただいたので、ぜひご自宅で本格的な味に挑戦してみてくださいね。

インタビュー

— カレーとヨーグルトの関係についてお聞きする前に、まずはインドのカレー文化について教えてください。

シャンカール・ノグチさん(以下、シャンカール)「カレーは、さっと短時間でも、時間をかけても作れる料理ですが、インドでは1種類ではなく、3種類くらいのカレーが食卓に並びます。インドでは、豆を煮込んだカレー、野菜と煮込んだカレーなど、数種類のカレーを混ぜ合わせながら食べるのが主流です。」

数種類のカレーを混ぜ合わせるのが本場スタイル。ちなみに中央にあるのがライタ(野菜とヨーグルトを和えたインド風サラダ)
数種類のカレーを混ぜ合わせるのが本場スタイル。ちなみに中央にあるのがライタ(野菜とヨーグルトを和えたインド風サラダ)

— カレーの文化は、地域によって違いがあるのでしょうか。

シャンカール「カレー文化は大きく北と南に分けられます。他国と接する面が多い北インドと、海に面している南インドでは、カレーの材料は大きく異なります。東インドや西インドも独自のカレー文化を構築していますが、交通網やインターネットの発達で別の地域の影響も受けるようになりました。」

— 北インドのカレーにはどのような特徴があるのでしょう。

シャンカール「北インドは、バターチキンのように乳製品を使った濃厚なカレーが特徴です。これは紀元前からヨーグルト文化が根付いている地域も多く、乳製品が身近にあったことが影響しています。またインドでは、主食は小麦粉がメインで、カレーには小麦パンやチャパティ(全粒小麦粉を使用した、発酵させない、鉄板で円形に平たく焼いたパン)が添えられます。」

下の平べったいのがチャパティ。そしてヨーグルトもコースの一部なのが分かります。
下の平べったいのがチャパティ。そしてヨーグルトもコースの一部なのが分かります。

— 南インドのカレーにはどのような特徴があるのでしょう。

シャンカール「インドの海に面した地域のカレーは、地元の食材であるココナッツをベースにするのが主流です。海に面している南インドにはヤシの木が多く生えているので、ココナッツオイルやココナッツミルクを使ってカレーを作ることが多いです。またカレーにはインド米を合わせます。」

南インド・チェンナイのタージホテルで食べた「ココナッツ入りのフィッシュカレー」
南インド・チェンナイのタージホテルで食べた「ココナッツ入りのフィッシュカレー」

— 同じインドでも、地域によりカレーは大きく異なるんですね。カレーに加えるヨーグルトには、どのような役割があるのでしょう。

シャンカール「インドでは、ヨーグルトはダヒ(インドで作られる乳製品)やラッシーの他、煮込み料理によく使われています。カレーも煮込み料理なので、水の代わりにヨーグルトで煮込んで濃厚さを強調させたり、カレーの味を引き締めたりする役割を担っています。」

「北インドでは、ヨーグルトは煮込む際に使用します。水で煮込む場合もありますが、ヨーグルトで煮込むことで、ヨーグルトの脂肪分が、濃厚な味わいにしてくれます。南インドでも使用する料理もありますが、北インドほど使用しません。」

「カレーは、水だけで作るよりも、ヨーグルトを追加することで、味に深みが出て食べやすくなる効果もあるんです。日本ではカレーを作るときには水が欠かせないと思いますが、インドでは食材の水分を利用してカレーを煮込みます。野菜の水分だけで煮るか、ヨーグルトを加えるかは好みによって変わってきますね。」

「酸味が強いタイプのヨーグルトを使用する場合は、カレーをすっきり引き締める効果があります。酸味があることですっきりとした味わいで食べやすくなります。」

「トマトカレーにヨーグルトを入れる場合は、まだ熟していない青いトマトとヨーグルトを一緒に煮込むことで、味に深みや広がりを作り出してくれます。」

「南インドのケララ地方では、冬瓜のヨーグルトカレーが有名です。冬瓜をココナッツオイルで炒めたら、サトウキビから作られたジャグリー(精製前の砂糖)にカレーリーフ、ブラウンマスタードシードとあわせます。そこにヨーグルトとココナッツミルクを加えることで味をなじませていくんです。」

— インドのカレーはヨーグルトとの相性が良いんですね。日本で主流のルーを使ったカレーにもヨーグルトは合うのでしょうか。

シャンカール「日本のカレーはルーを入れれば味が決まるようになっているので、水の代わりに同量のヨーグルトを入れると、こってりしすぎる場合もあります。水をヨーグルトに置き換えるなら、最初は少量から始めるのがいいでしょう。」

— 日本のヨーグルトも、濃厚なものや酸味が強いものなどさまざまです。カレーに向いているヨーグルトはありますか。

「ヨーグルトの味や量は好みで問題ありません。酸味が欲しいなら酸味が強いヨーグルト、濃厚さを出したいならもったりしたものなど使い分けてみても楽しみが広がりますよ。国産のヨーグルトの味もさまざまですから。」

「カレーに使う時は、ヨーグルトをよく混ぜて、だまにならないようにしてくださいね。」

— ヨーグルトとスパイスを使った本格的なカレーに挑戦してみたいけれど、スパイスが揃えられず頓挫してしまう人も少なくないようです。

「スパイスが揃わない場合は無理に準備する必要はありません。カレーリーフは白ゴマで代用が可能ですし、甘さを黒糖で出したり、酸味をレモンを追加したりしても問題ありません。レシピのホールスパイスがなければ、パウダースパイスで代用ができますよ。」

日本の家庭にあるもので代用が効くなら、気負わずにヨーグルトとスパイスのカレーに挑戦したいと考える人も多いのではないでしょうか。今回は、スパイスを使ったヨーグルトカレーのひとつ、チキンカレーの作り方を教わりました。

基本のチキンカレーのレシピ

基本のチキンカレーのレシピ

【材料】4人前

  • 鶏もも肉:400g(一口サイズ)
  • 玉ねぎ:2個・300g(みじん切り)
  • トマト:2個(1cmさいの目切り)
  • ニンニク:1片(すりおろし)
  • しょうが:1片(すりおろし)
  • 青唐辛子:2本(みじん切り)
  • ヨーグルト:200g
  • 水:100ml
  • バター:50g
  • パクチー:20g(みじん切り)
  • ガラムマサラ:小さじ2/3

【はじめのスパイス】

  • グリーンカルダモン:2個
  • クローブ:3個
  • シナモンスティック:1本

【パウダースパイス】

  • クミンパウダー:小さじ2
  • コリアンダーパウダー:小さじ2
  • ターメリックパウダー:小さじ1
  • レッドチリパウダー:小さじ1/2
  • 塩:小さじ1

【作り方】

  1. 鶏肉に塩胡椒(分量外)を揉み込む。ヨーグルトはよくかき混ぜておく。
  2. 鍋にバターを入れ中火で温めたら、はじめのスパイスを入れ、グリーンカルダモンがぷっくり膨らむまで炒める。
    玉ねぎを加え、強めの中火強で炒める。焦げが付いてきたら水大さじ2を(分量外)加える。
  3. 玉ねぎがきつね色になったら、ニンニクとショウガと水大さじ2(分量外)を加えて、炒め合わせる。ニンニクの香りがしてきたら、トマトと青唐辛子を加え、火を中火にして潰しながら炒める。
  4. トマトが溶けてきたら、パウダースパイスを加えて弱火にして2分ほど炒め合わせる。
  5. 全体をまとめ合わせたら、中火にして1の鶏もも肉を加えて肉の表面を炒める。
  6. よくかき混ぜたヨーグルトを加えて、混ぜ合わせる。水を加えてフツフツとしてきたら、蓋をして20分程弱火で煮る。5分置きに蓋を開け鍋底からかき回す。
  7. 蓋を開けて中火にして、パクチーとガラムマサラを加えて2分ほど混ぜながら水分を飛ばす。塩調整をして完成。

話をしてくれた人

シャンカール・ノグチ

シャンカール・ノグチ

スパイスハンター

スパイス商人そして調香師。インド・パンジャブ州出身の祖父の代から続くインドアメリカン貿易商会の三代目代表。ラムバサダー※、東京スパイス番長に所属している。著書に「スパイスの世界へようこそ」(河出書房新社)がある。

※「ラムバサダー」とは?
様々な角度からラム肉の魅力を発信する食のプロ集団。
http://aussielamb.jp/lambassador/

SPICE TOKYO
シャンカールのスパイス情報、レシピ、スパイス販売
https://www.spice.tokyo/

記事を書いた人

みんなのヨーグルトアカデミー編集部
みんなのヨーグルトアカデミー編集部

私たちは「ヨーグルトを通して世界を見る」をテーマに、食べる人、つくる人、料理に使う人、研究者する人など、ありとあらゆるヨーグルト関係者に取材を敢行し、さまざまな角度からヨーグルトの面白さを発信。

普段何気なくヨーグルトを食べている人のヨーグルト愛をくすぐり、もっと楽しく、おいしくヨーグルトに関わってもらいたいと考えています。