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“氷ヨーグルト”を作り置き。9月も続く夏バテ対策は見た目も楽しいアレンジラッシーで!

家で食べる 2023.09.15

“氷ヨーグルト”を作り置き。9月も続く夏バテ対策は見た目も楽しいアレンジラッシーで!

そろそろ秋の気配が……と言いたいところですが、まだまだまったく感じられませんっ。

気象庁の長期予報では、今年の9月から11月の3か月間、特に東日本や西日本は平年より気温も高く、引き続き猛烈な暑さによる「夏バテ」に注意が必要だそうです。秋の夏バテってどういうこと!?

今回は、「夏バテにはラッシーがいいラッシィー」ということで、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品を使った料理や栄養に詳しい管理栄養士で料理家の小山浩子さんにお話を伺いました。

インド発祥のラッシーの味

以前、ブルガリアなどで飲まれている塩ヨーグルトドリンクアイリャンをご紹介しましたが、皆さま、お試しいただけたでしょうか。

今回おすすめしたいのは、インド料理店やエスニック料理店でおなじみのラッシーです。同じくヨーグルトをベースにしたドリンクですが、アイリャンは水割り、ラッシーは牛乳割りという違いがあります。

地域やお店によって作り方はさまざま。
砂糖やフルーツを入れた甘いものから、塩やサフラン、ミントを入れたものまで。日本でも人気のマンゴーラッシーは、インドでも人気。実は、インドのマンゴー生産量は世界一なんですね。

ラッシー
画像提供:シャンカール・ノグチ

インドのヨーグルト「ダヒー」は日本のプレーンヨーグルトより濃厚なので、日本のインド料理店では牛乳で割って、少し砂糖を入れることが多いようです。

小山さんに伺ったところ、

「ヨーグルトと牛乳を1対1で合わせてよく混ぜる。これがベースなので、まずはこの基準比で味見してみてください。もっと濃厚にしたければヨーグルトを多めに、さっぱりさせたければ牛乳を多めに、さらに少し水を加えてもOKです。塩や砂糖をひとつまみ入れるかどうかもお好みです」

とのこと。大さじも計量カップも使わなくていいなんてうれしいですね。

ヨーグルトと牛乳で作るラッシーは夏バテ対策にぴったり

牛乳は、私たちが生きていく上で必要な五大栄養素をバランスよく含んでいることはご存知かと思います。
年間を通じて習慣化したい食材のひとつですが、小山さんによると、夏から秋にかかるこの季節は、いつも以上に体に取り入れるとよいそうです。

普段は汗をかくことで体温調節をしていますが、冷房の効いた室内で過ごすことで発汗機会が減り、身体の準備ができていな状態で猛暑が続くと、自身での体温調節が追い付かなくなるのです。

軽い運動をした直後にコップ1杯の牛乳を飲むことで、血液量が増えることがわかっています。血液量が増えると、皮膚に血液を集めて放熱する働きや、血液から汗をつくり、その蒸発によって体温を下げる働きが活発になるのです。

またヨーグルトは、牛乳の栄養に加えて乳酸菌の働きに期待できるのと、その発酵の力によってたんぱく質やカルシウムが、より消化吸収されやすくなっているのもうれしいポイントです。

暑さからくる慢性的な疲れや体調不良は自律神経の乱れが原因の場合も多く、乳酸菌で腸内環境を整えておくことも、秋の夏バテ対策になります。

氷ヨーグルトで簡単アレンジ

今回、小山さんが「みんなのヨーグルトアカデミー」のために考案してくださったのが、その名も“氷ヨーグルト”で作るラッシーです。

昔、“氷コーヒー”といって、コーヒーを製氷皿に入れてキューブ型の氷にし、そこに牛乳を入れて混ぜながら楽しむ飲み物が流行ったことがありました。
その要領で、製氷皿に入れて凍らせて作った氷ヨーグルトをグラスに、牛乳を注ぐというものです。

まずは氷ヨーグルトを作りましょう。

氷ヨーグルト

【材料】

  • プレーンヨーグルト
    ※製氷皿のサイズに合わせて適宜

プレーンヨーグルトを滑らかになるまでよく混ぜて、製氷皿に入れて凍らせる。

プレーンヨーグルトを滑らかになるまでよく混ぜて、製氷皿に入れて凍らせる。
シリコン製の製氷皿だときれいに取り出せます
シリコン製の製氷皿だときれいに取り出せます

わざわざ凍らせるのは面倒…なんて思っていませんか。
製氷皿、最近の冷凍庫にはついていないんですよね。私は早速、300円ショップで見つけて購入しました。とてもおすすめです。

それでは、基本となるレモンラッシーから紹介します。

氷ヨーグルトのレモンラッシー

【材料(1人分)】

  • 氷ヨーグルト:100g(=キューブ型5〜6個程度)※
  • 牛乳:125ml
  • レモン果汁:大さじ1程度(=レモン約1/2個分)

※今回は、キューブ型1つが15g程度の製氷皿を使いました。

【作り方】

グラスに氷ヨーグルトを入れ、牛乳を注ぎ、レモン果汁を混ぜる。お好みで塩ひとつまみ入れても◎。

製氷皿のキューブがもっと大きい場合は3〜4個が目安
製氷皿のキューブがもっと大きい場合は3〜4個が目安
白✕白で見た目もきれい
白✕白で見た目もきれい

準備ができたら、少しそのまま待ちましょう。氷ヨーグルトのまわりの角がとれてきたら飲み頃。少し混ぜて飲んでみてください。

氷を崩すとヨーグルトが溶けて濃度がだんだんと濃くなり、味に変化が出てきます。さらさらから濃いヨーグルトドリンクへの変化が1杯で楽しめるレシピです。

水で作る氷とは違い、氷ヨーグルトのおかげで、ドリンクが薄まらずに最後まで冷たいまま美味しくいただけます。
レモンは味をスッキリさせるだけではなく、7~8月の暑さで疲れた身体を回復してくれる働きがあるので、ぜひおすすめ、とのこと。

さらに、上記を基本として、簡単おもてなしスイーツ風のアレンジレシピも教えていただきました。

【アレンジ】白桃の氷ヨーグルトラッシー

【材料(1人分)】

  • 氷ヨーグルト:100g(=キューブ型5〜6個程度)
  • ★牛乳:125ml
  • ★白桃のシロップ(缶でOK):大さじ3
  • ★砂糖:大さじ1
  • 白桃(缶でOK):1/2割り

【作り方】

  1. ★は合わせて冷蔵庫で冷やしておく
  2. 白桃はスライスにし、透明のグラスの側面に貼り付けるように並べる
  3. グラスに氷ヨーグルトを入れ、★を注いで完成。お好みでミントなどのせても◎
  4. 最後に粗びきこしょうをふるのもおすすめ。
スライスしたフルーツをきれいにグラスに貼り付ける
スライスしたフルーツをきれいにグラスに貼り付ける

フレッシュなフルーツでももちろんよいですが、今回はあえてフルーツ缶を使いました。フルーツ缶は栄養がないと思われがちですが、牛乳やヨーグルトに含まれない食物繊維がしっかり摂れますし、シロップも使えます。多めにストックしておけるのでとても便利。

冷蔵庫にあるヨーグルトと牛乳を混ぜるだけのラッシーも美味しいですが、氷ヨーグルトで作るアレンジラッシーのいいところは、ずっと冷たいところ!最後まで冷たい状態で、しかも薄まらずに飲めるのが新鮮でした。

料理やお菓子づくり用に水切りヨーグルトを作った際、残ったホエイを製氷皿に入れて氷ホエイを作っておくのもおすすめだそう。

同じように牛乳を注いでさっぱりラッシーとして飲んでもいいし、カレーやシチューを作るときにも出汁になるなんて!実は冬でも活用できそうですね。ぜひお試しください!

左は水切りヨーグルト、右はホエイで作った氷ヨーグルト
左は水切りヨーグルト、右はホエイで作った氷ヨーグルト

話をしてくれた人

小山浩子

小山浩子

料理家・管理栄養士

NHKをはじめ健康番組出演等のメディアで幅広く活動。30年以上に渡り、独自の視点でミルク料理を研究。
これまで指導した生徒は7万人以上に及ぶ。著作も多数あり、「目からウロコのおいしい減塩「乳和食」」(主婦の友社)で2014年グルマン世界料理本大賞イノベイティブ部門世界第2位、『はじめよう乳和食』日本実業出版で2019年ミルク&チーズ部門世界第2位を受賞。
健康と作りやすさに配慮したオリジナルミルクレシピを常に発信し続けている。2015年1月、日本高血圧協会理事に就任。今年、10周年を迎えた乳和食の開発者でもある。

Webサイト
http://www.koyama165.com/

記事を書いた人

みんなのヨーグルトアカデミー編集部
みんなのヨーグルトアカデミー編集部

私たちは「ヨーグルトを通して世界を見る」をテーマに、食べる人、つくる人、料理に使う人、研究者する人など、ありとあらゆるヨーグルト関係者に取材を敢行し、さまざまな角度からヨーグルトの面白さを発信。

普段何気なくヨーグルトを食べている人のヨーグルト愛をくすぐり、もっと楽しく、おいしくヨーグルトに関わってもらいたいと考えています。

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