いよいよ会期も折り返しを過ぎ、ますます盛り上がる大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会/Expo 2025)。皆さんは行かれましたか?
本記事のライターである私BUBBLE-Bは万博好きが高じ、すでに20回以上も行ってます。海外パビリオンは全制覇し、あと少し残ったパビリオンの予約に四苦八苦する今日この頃です。
日本のプレーンヨーグルトは万博から始まった!55年の歳月を食べ比べ
さて、日本の定番ヨーグルトといえば「明治ブルガリアヨーグルト」ですが、その歴史は1970年の大阪万博(日本万国博覧会/Expo’70)をきっかけに始まっています。
プレーンヨーグルトがまだ日本に無かった当時、万博のブルガリア館では本場の味が提供されていました。
それを口にした明治の社員さんたちは感銘を受け、自社にサンプルを持ち帰って研究を重ねます。そして翌1971年、日本初となる「明治プレーンヨーグルト」が誕生。さらに1973年には「明治ブルガリアヨーグルト」へと商品名を改め、現在まで50年以上も進化を続けてきたのです。
そんな歴史を振り返るイベント「『明治ブルガリアヨーグルト』食べ比べ体験会」が、8月7日・8日にわたって開催されたので、行ってきました。

大阪ヘルスケアパビリオン内の「食」をテーマにしたゾーンでは、未来に向けて趣向を凝らした様々な食べものが楽しめます。
そこにあるデモキッチンで、「明治ブルガリアヨーグルト」が無料提供されていました。

「ヨーグルト食べくらべ体験会」と銘打たれたこのイベントでは、1973年に発売された当時の「明治ブルガリアヨーグルト」を再現したものと、50年後の2023年のものとを食べ比べることができます。

配られたのは、2つの小さなカップに入れられたヨーグルト。
左側が1973年の味わいを再現したもので、右側が現在のものとなっていました。
まず左側、50年前のヨーグルトを食べてみると......す、酸っぱい。割と強めの酸味が口の中を支配します。酸っぱさと共に発酵特有の風味が強いと感じました。
続いて現在のヨーグルトを食べてみると、とてもまろやかでマイルド。酸っぱさはあるものの丸められており、万人に愛されるような風味へと進化したことが分かりました。

進化は風味にとどまらず、本場ブルガリアの LB81乳酸菌 を使用していることも大きなトピックです。この乳酸菌には、腸の防衛機能や免疫力の向上が期待されています。
1970年の万博と2025年の万博。その55年間を振り返り、比較することも万博の楽しみのひとつです。月の石や人間洗濯機に回転寿司、そしてヨーグルトもしっかりと進化の足跡を感じることができました。
ヨーグルトの聖地!ブルガリアのパビリオンで乳酸菌キャラ「ラクトくん」に出会う

ヨーグルトの聖地ブルガリアのパビリオンにも行ってみました!
ブルガリア館は「自然と共に進化する」をテーマとした空間で、ブルガリアの歴史や自然、文化から、乳酸菌の研究といったバイオテクノロジーまでを一気に紹介する映像が楽しめます。

世界10カ国以上で使われているキリル文字も、ブルガリア発祥であることがアピールされていました。

ブルガリア館では残念ながらヨーグルトの提供はないのですが、日本とブルガリアの架け橋「明治ブルガリアヨーグルト」のパッケージはしっかりと展示されていました。
そして横にいるのがブルガリア館のマスコットキャラ「ラクト」くんです。その見た目通り(?)乳酸菌をイメージしているのだとか。かわいいと大人気で、一緒に写真を撮る人も多かったです。
セルビア館のヨーグルト料理は必食!ヨーグルト大国の文化に触れる
ブルガリア館だけでなく、もう一つ“ヨーグルト大国”のパビリオンがあります。それはセルビア館です。

「浮遊する森」というコンセプトを持つセルビア館では、“遊び”をテーマにした展示が行われています。
ビー玉が転がって、それが映像の中に入り込んだり…。言葉にすると伝わりにくいですが、子供心をくすぐるような、少し不思議な体験型展示です。

2027年にセルビアで開催予定のベオグラード万博へのカウントダウンの展示もありました。ベオグラード万博は現在までに118カ国が参加表明しており、認定博覧会としては過去最高の参加国数だそうです。
そんなセルビア館にはカフェが併設されており、セルビアのヨーグルトが楽しめるんです。

サラダ欄には「ヨーグルトサラータ」、デザート欄には「ベリーヨーグルト」など、ヨーグルトを使ったものがラインナップ。ブルガリアの西隣にあるセルビアにも、ヨーグルトの文化が根付いていることを感じさせてくれます。

ここでは「ヨーグルトサラータ」と、セルビアのお菓子「ヴァニリツェ」をオーダーしてみました。イートイン席は満席だったので、外のベンチへ。こういう自由さが万博の良さですね。

まずは「ヨーグルトサラータ」から。メニュー表に「サラダ感覚が楽しいヨーグルト」とあるように、ガラス瓶の底にはトマトとアボカドがぎっしりと詰められています。どんな味がするのでしょうか?

食べてみると、いわゆる日本のヨーグルトのような味とは大きく異なります。甘さは全くなく、酸味も控えめで、どちらかといえば薄く塩味があるのです。これはサラダに対するドレッシングのような印象でした。
ほんのり塩味のヨーグルトとトマトやアボカドは、確かに絶妙に合うのです。セルビア館のカフェで初めて経験する味でした!こんな出会いがあるから万博の海外グルメはやめられません。
セルビアでは、プレーンヨーグルトは身近な食べものとして様々な料理で使われるのだそうです。中でも、「ベゴヴァ・チョルバ」という牛肉・鶏肉・オクラを具にしたシチューには最後にヨーグルトが加えられ、濃厚な味になるのだとか。

ちなみにヨーグルトと一緒に頼んだのはこちら「ヴァニリツェ」。マカロンのような見た目とは裏腹に、しっとりとした生地が特徴でした。
UAE、クウェート、トルクメニスタン…まだまだある!海外パビリオンのヨーグルト



万博で楽しめるヨーグルトは、他にもあります!
まずはUAE館(アラブ首長国連邦)のレストラン。本場エミラティ料理のコースがお弁当形式で提供されることで人気です。また、ドリンク「スパイス・ラバン」は、無糖のヨーグルトにクミンなどのスパイスがたっぷり入ったもので、まさに中東テイスト。単体で飲むと不思議な味ですが、エミラティ料理とは絶妙に合うのです。
クウェート館のレストランで提供される「クベ・エルグ」は、玉ねぎやニンジンなどの野菜を刻んで揚げたフリッターに、ハーブの効いたヨーグルトソースをつけていただきます。日本では珍しいクウェート料理も気になりますね。
トルクメニスタン館のレストランでは、伝統的なヨーグルトドリンク「チャル」が楽しめます。これはドリンクというよりソースに近く、ドロっと濃厚なヨーグルトです。また、パイ生地に牛肉とかぼちゃを詰めてタンドール窯で焼き上げた「ソムサ」は、チャルとトマトソースで味付けをして食べる、中央アジアの伝統料理です。

さて、大阪・関西万博でのヨーグルト、いかがだったでしょうか。
万博で生まれ、50年にわたって進化し続ける「明治ブルガリアヨーグルト」と、セルビア館のカフェにあるような東欧の伝統的なヨーグルト。乳酸菌の研究を進め、ヨーグルトの国としての未来を見せてくれるブルガリア館。
ヨーグルトを軸に巡るのもマニアックで楽しい万博になるはずです。
そしてやはり、セルビア館のカフェにあるヨーグルトを味わって欲しいと思います!