初めまして、阿生(あせい)と申します。2020年頃から東京のガチ中華のお店を紹介するブログ「東京で中華を食らう」を運営し、X(旧ツイッター)などでガチ中華情報を発信しております。
2023年からは香港に移住し、香港や中国大陸で食べた中華料理について投稿しています。今回はそんな香港から、現地で食べられているヨーグルトについてご紹介します。
香港の乳製品は輸入が中心。ヨーグルトで世界一周も夢じゃない!?
香港の面積は1,114平方キロメートルで東京都の約半分、人口も東京都の約半分の約733万人。
東京と同程度の人口密度では、ご想像のとおり酪農を行うことは難しく、ヨーグルトをはじめ、牛乳、チーズなどの乳製品のほとんどは海外からの輸入に頼っています。
農林水産省が発行している「香港 よりヘルシーでより濃厚に〜日本産乳製品のトレンド〜2023年11月分」のレポートを見てみると、ヨーグルトに関して、2022年の輸入額全体は2.6億香港ドル(約50億円)。金額ベースではスイスがトップで全体の約19%、日本は5番目で2.2千万香港ドル(約4.4億円)という数字でした。
2番目から4番目まではオーストラリア、英国、中国がそれぞれ占めています。そのため、香港のスーパーマーケットにいくと世界各国から集まったヨーグルトを手にすることができます。
日本をはじめ、スイス、オーストラリアなど様々な国から輸入されたヨーグルトが並ぶ売り場の景色はなかなか圧巻。種類も豊富で何を選べばいいのか迷ってしまいます。
気になる価格はカップヨーグルト1つで8香港ドル(約152円)から33香港ドル(約627円)程度と製品によって幅がある模様。そもそもを輸入に頼っていることと、現在の円安の影響もあり日本と比較するとかなり高く感じます。ちなみにヨーグルト以外の牛乳やチーズなどの乳製品なども輸入品であるため、日本と比較すると高いです。
日本ブランドのヨーグルト、香港ではタイ産に!
日本ではお馴染みの明治のヨーグルトも、もちろん香港で販売されています。筆者が香港のスーパーマーケットWelcomeで発見した明治のヨーグルトはタイで製造されたもの。
1つ買うと10香港ドル(約190円)ですが、2つ合わせて購入すると17香港ドル(約323円)と、香港では比較的リーズナブル。香港ではこういったまとめ買いで単価が安くなることや、1つ購入するともう1つも無料になるといった販売方法がよく見られます。
種類は定番のプレーン、ストロベリーから日本ではめずらしいナタデココ&ココナッツ味などバリエーションが豊富。試しに購入してみたナタデココ&ココナッツ味は、こりこりとしたナタデココにさっぱりとしたココナッツ風味のヨーグルトが美味しくてとても食べやすかったです。
香港人の20代後半の友人によれば、ヨーグルトを食べるのは朝食が多いそうで、消費スタイルは日本と似ているようでした。
人気の「フロヨ」はもはやパフェ!香港フローズンヨーグルトの世界
さらに「スーパーマーケット以外で香港のヨーグルトといえば『フロヨ』じゃないかな」と友人が言うので調べてみると「フローズンヨーグルト」のこと。
聞けばヨーグルトアイスをパフェのようにしたスイーツで、数年前に香港で流行っていたそうです。
今では当時ほどの人気はないそうですが、現在でも中環(セントラル)や尖沙咀(チムサーチョイ)など中心エリアにお店があるようなので行ってみることにしました。
今回訪問したのは尖沙咀のショッピングセンターK11のグランドフロアにある「Smile Yogurt & Dessert Bar」というお店。チェーン店で他には銅鑼灣(コーズウェイベイ)や旺角(モンコック)などにも支店があり、香港で計10店舗出店しています。
メニューは「クラシック」6種類(1つ56香港ドル、約1,064円)、「プレミアム」6種類(1つ70香港ドル、約1,330円)に、好きなトッピングを選んでカスタマイズできるメニュー(54香港ドルにトッピング1つが8香港ドル)の3種類。
今回は筆者が「クラシック」のVery Healthy Mix(ベリーヘルシーミックス)、友人がBanana Split(バナナスプリット)を注文してみました。
Very Health Mixはギリシャヨーグルトアイスに、バナナジャム、グラノーラ、ハチミツにフルーツというトッピング。その名の通り、フルーツやグラノーラ、バナナジャムなどが入っていて、まるで朝ごはんを食べているかのようなフレッシュさが特徴的です。
一方、Banana Splitには同じくギリシャヨーグルトアイスの上に、パッションフルーツとバナナジャム、フルーツ、パイクッキー、クルトンのようなパンくずがトッピングされています。
さらにチョコレートソースがたっぷりかかっていますが、ヨーグルトアイスのさっぱりとした味わいがチョコレートの重さをかき消してくれるのがいいところ。バナナジャムと混ざり合うと、あっさりしたチョコバナナを食べているかのような美味しさでした。
ヨーグルトアイスは、普段食べているバニラアイスよりもさっぱりとしていて、食後でもスルッと喉を通るような食べやすさが特徴。この新感覚が流行ったというのも納得です。
2軒目はスイーツが定番。香港旅行でフロヨを楽しもう
香港にはマンゴースイーツの楊枝甘露やミルクプリンの雙皮奶など香港スタイルのスイーツを出す店がたくさんあり、夜、食事をした後の2軒目にデザートを食べに行くことが多いです。
フローズンヨーグルトもブームが去った後は、香港で食べられる数あるスイーツの選択肢の一つに落ち着いたのか、平日夜9時頃に店に行くと4~5人が順番待ちをしていました。
日本でタピオカミルクティーブームが去った後もデパートやショッピングモールの中で出店している『貢茶(ゴンチャ)』などの店が生き残り、週末には行列ができていたりするのと似た状況でしょうか。
『Smile Yogurt & Dessert Bar』以外にも香港では『Yo Mama Frozen Yogurt』というお店が中環(セントラル)や銅鑼灣(コーズウェイベイ)など4店舗で展開していて、繁華街に行くとフローズンヨーグルトのお店を見かけることができます。
香港に行く機会があれば、食事をしたあとにフローズンヨーグルトのお店に訪れてみてはいかがでしょうか。
※商品の価格は、取材時(2024年1月)のもので、1香港ドル=19円で計算しています。