光を制する者はおいしさを制す!小さい窓から柔らかな光を注ぐか、横の光で陰影を出すか?
撮りたいシーンや世界観が決まったら、次は光です。光の役割は、食材の「本当の色」を出すこと。照明機材を使わずに撮影するなら、朝または日中の自然光で撮るのがベストです。
なぜ家の照明を避けたいのかというと、 自然光が100本の色鉛筆で描き出すとすれば、温かみのある照明は100本のうち60本が赤色系、蛍光灯は60本が青色系で描かれるようなものだから。つまり、電球だと「本当の色」が表現できないのです。
また、光の差し方によっても雰囲気は変わります。
そもそも料理写真のセオリーは“斜め逆光”または“サイド光”が基本です。どういうことかというと、斜め向こうから手前に差す光、または横から差す光があると、料理に立体感を出せるんです。
この前提を踏まえて、ナチュラルな朝食シーンを撮る場合、小さい窓から柔らかい光を入れると、ヨーロッパの家とか、山小屋の朝といった雰囲気が醸し出せます。誤解を恐れずに言うと「調理室池田」っぽいイメージですね。
一方、斜め上からの柔らかな逆光になると、全体が明るい雰囲気になります。下の写真で比較してみましょう。
即席で照明をつくる!カーテンとゴミ袋で「小さな窓から柔らかな光を注ぐ」方法
ところで「家に小さな窓なんてないよ!」と思われたかもしれません。でも大丈夫。窓が大きい場合、遮光カーテンなどで光の入口を遮り、光が入る部分を狭めればいいのです。
もし、影がくっきり出過ぎると感じたら、レースカーテンを引きます。レースカーテンがなければ、ゴミ袋を重ねて窓に貼るか、上から吊します。そうすると、光が「ぼわん」と柔らかくなります。
一方、スタイリッシュなカフェシーンのライティングは、横からの「光の道」を当てます。横からの光は、被写体の中央から右半分を影にして、陰影をはっきりと表現することができるからです。
「光の道」を作るには、黒いレフ板を使うと効果的です。レフ板は、白やシルバーなどをよくみますが、色によって反射する光を変えることができます。黒いレフ板は、ハレパネや段ボールに黒い画用紙をはれば自作OK。テーブルフォトなら、B4サイズで十分ですよ。
さて、うつわと布、光が決まったら、次は構図です。あれ、意外と手数が多いって…?慣れれば簡単ですよ。
「光」のポイント
- 本当の色を表現するため、朝か日中の自然光で撮るのがベスト
- 小さな窓から柔らかな光を入れるとヨーロッパの朝の雰囲気が出せる
- 黒いレフ版を立てて横から光を入れると、陰影がついてスタイリッシュな雰囲気になる