気象庁が“酷暑日”を正式決定した2026年は、“酷暑元年”といっていいでしょう。そしてこの時季、夏の気温と暑さ対策が注目される埼玉県熊谷市では、2025年から株式会社明治と共同で「ヨーグルトで水分保持 チャレンジプロジェクト」をはじめ、今年で2年目を迎えました。
そこで、実際にはどんな企画が実施されているのかを確かめるべく、炎天下の熊谷を取材してきました。超クールなお店のメニューや、夏祭りの取り組みなどを中心に紹介していきます。
暑さ対策日本一!埼玉県熊谷市が取り組む先進的な熱中症対策とは?
夏が訪れるたび、その記録的な暑さでニュースを賑わせる熊谷。それだけ暑さ対策にも注力しており、一例としては駅前に設置された冷却ミストがあります。こちらは熊谷駅の正面口と南口にあり、2008年6月から毎シーズン稼働してきました。
また、ニュースなどで全国的に有名な熊谷のスポットといえば、埼玉県の北西部を代表するデパート「八木橋百貨店」前の大温度計でしょう。こちらは2007年に初代がデビューし、現在は5月中旬から8月下旬まで設置されています。
なお、プロジェクト名をデザインした大温度計は「八木橋百貨店」の東口(2026年6月30日~7月31日)と西口(2026年7月31日~9月下旬)の2カ所に設置。
さらに市役所には、建物の内外で「ヨーグルトで水分保持 チャレンジプロジェクト」が大きく掲出されていました。
これらはヨーグルトによる体内の水分保持を促し、体調管理の意識醸成をはかる取り組みの一環。暑さを逆手にとった熊谷市の積極的なアプローチは、“暑さ対策日本一”の名にふさわしい先進的な試みといえます。
ヨーグルト味で体の中からクールダウン。熊谷名物の白いかき氷「雪くま」が進化
そんな熊谷が誇る名物グルメのひとつが、かき氷。2006年からは暑い夏のまちおこしとしてご当地かき氷「雪くま」の企画や発信も行ってきました。
産官学が連携して取り組む中、店舗側の旗振り役が「雪くまのれん会」であり、市内では業態の垣根を超えた30店舗(2026年)がオリジナルのかき氷を提供しています。
その一軒「御菓子司 三河屋」に訪れ、より詳しい話を聞きました。教えてくれたのは店主の石川雄太さん。石川さんは「雪くまのれん会」の四代目会長で、「御菓子司 三河屋」の三代目。
同店は1947(昭和22)年に和菓子店として創業し、石川さんの父親にあたる二代目が洋菓子のパティシエとして加わり和洋菓子店に。現在は石川さんが和菓子職人、石川さんの妹がパティシエールとして店を継ぎ、計30~40種類のお菓子を販売しています。
「雪くま」の定義は、熊谷のおいしい水で作った氷を使うこと、氷の削り方を工夫した雪のようにふんわりした食感であること、オリジナルのシロップや食材を使うこと。この3つです。
そのうえで、2025年からはじまった「ヨーグルトで水分保持 チャレンジプロジェクト」に伴い、数軒の加盟店ではヨーグルトを使ったかき氷の提供もスタート。
2年目となる今季は好評を受け、提供店舗が2倍を超える14店舗に拡大。初年度から提供している「御菓子司 三河屋」でも、進化させたレシピで新たにメニューを考案しました。
「当店はプレーンヨーグルトそのままと、練乳を加えたオリジナルのヨーグルトソースの2種類を使い、削氷とともに重ねていく構成が大きな特徴。フルーツとのバランスも、おいしさの決め手です」と、石川さん。
そのうえで「ヨーグルト2026」では前回との違いを出すため、昨年使った「明治ブルガリアヨーグルト」から「明治プロビオヨーグルトR-1」にベースを変更。
それに伴いヨーグルトソースに使う練乳の配合を再調整し、さっぱりした爽やかさとクリーミーなまろやかさを調和させたのが今季のポイントです。
味は、キリッと冷たい削氷にヨーグルトのまろやかな酸味がベストマッチ。3種のフルーツによる甘酸っぱさと、隠し味のクラッシュ黒糖も好アクセントに。それぞれの素材が主張しすぎずバランスよくまとまって、止まらないおいしさです。
夏祭りのお囃子の担い手をサポート!ヨーグルトを“猛暑対策の新定番”へ
埼玉は年間を通して祭りが多い県。「秩父夜祭」「川越まつり」と並ぶ三大祭りのひとつ“関東一の祇園祭”として名高い「熊谷うちわ祭」です。
毎年7月20~22日に開催され、12町区の山車・屋台が集結して一斉にお囃子(はやし)を叩き合う光景は、熊谷が誇る夏の風物詩となっています。
歴史は古く、安土桃山時代の文禄年間に京都・祇園の八坂神社から神様を勧請したのが、熊谷市鎌倉町に鎮座する愛宕八坂神社。その例大祭が「熊谷うちわ祭」のルーツであり、最も古い祭りの公式記録は江戸中期の1750(寛延3)年です。
「ヨーグルトで水分保持 チャレンジプロジェクト」では、同祭りの参加者に向けた暑さ対策でも協力。子どもたちをはじめ多くの地域住民が連日練習に励む中、今年は“暑さ対策のスタンダードをつくる”という目標を掲げて支援しました。
そのひとつが5月に実施された、救急救命や熱中症対策の講義。2日間で75名の祭り関係者が参加するとともに、各山車・屋台に担当者を配置し、熱中症対策グッズを常備することが定められました。
また、練習時にヨーグルトを取り入れることで体調管理を励行し、元気に本番を迎えられるようサポートも。
今回は特別に、「筑波区」の練習に参加させてもらいました。ここでは「筑波区囃子保存会」が主宰となり、同区の小学校5年生~高校3年生からなる「筑波区おはやし会」を組織して指導を行っています。
練習メンバーを代表して話を聞かせてもらったのは、おはやし会でリーダーを務めた遠藤綾乃さん。「ヨーグルトが水分保持に期待できることは、今回初めて知りました。体調管理のためにもみんなで飲んで、元気に当日を迎えたいです」と、意気込みを語りました。
「筑波区囃子保存会」からも、同区の熱中症対策責任者である黒田泰治さんに話を聞きました。
これまで熱中症対策は町区ごとに対応が異なっていたところ、2026年からは行政が祭りの熱中症対策に本格参画し、熊谷市、消防本部、祭り関係者が協力。より強固な連携体制を構築できたことが大きいと語ります。
「練習メンバーとしては、これまで塩タブレットやスポーツドリンクなどを飲んできましたが、ヨーグルトも身近ですし、何よりおいしくて飲みやすい。日々の体調管理にも期待できますし、子どもたちにも元気に本番を迎えられるよう、健康を意識することを伝えていきたいです」
毎日の食事にヨーグルトを。食育・料理教室から広がる、健やかな夏の習慣
「ヨーグルトで水分保持 チャレンジプロジェクト」による夏休みの子ども向け企画としては、2026年7月31日と8月7日に親子料理教室が開催されました。
教室の目的は、食を通じて夏の体調管理を学ぶこと。熊谷ブランド「晴れまち」に指定された地元野菜やご当地かき氷「雪くま」を使った簡単レシピで、「ヨーグルト入りチリコンカン風カレー」「熊谷産きゅうりの塩ヨーグルトサラダ」「ヨーグルト雪くま」の3品に挑戦しました。
教室の前半は、熊谷在住の野菜ソムリエ・牧野悦子さんから、日照時間が長く、水が豊富な熊谷ならではの地元産野菜や果物についてのレクチャーです。
きゅうりやトマトなどの夏野菜は9割以上が水分なので、野菜を食べることでも暑さ対策の水分補給ができるのだそうです。
後半は、前述の「雪くまのれん会」会長の石川さんが登場。冷たくて美味しい「ヨーグルト雪くま」は、かき氷で水分補給し、ヨーグルトで水分保持ができるため、実は暑さ対策にぴったりだということを学んだあとは、参加者全員で「雪くま」づくりを体験しました。
2026年の熊谷うちわ祭は、3日間の最高気温が39.6℃を記録する過酷な暑さでしたが、熱中症対策も功を奏して大きな事故もなく、無事に終了。最終日には約70万人が参加する盛り上がりをみせました。
ただ、“酷暑元年”の暑さはきっと夏以降も続くはず。みなさんもヨーグルトでしっかり対策しましょう。
御菓子司 三河屋
住所:埼玉県熊谷市宮町2-4
公式サイト:
https://www.okashi-mikawaya.jp/

