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素材で味はどう違う?植物性ヨーグルトの風味を調べてみた

ヨーグルト愛の人々 投稿日:2026.04.10

素材で味はどう違う?植物性ヨーグルトの風味を調べてみた

近年、食の多様化や健康意識の高まりを背景に、植物性ヨーグルト(プラントベースヨーグルト)の市場が広がってきています。

使用される素材の種類も大豆、アーモンド、えんどう豆、米、ココナッツ、オーツ麦、さつまいもなどバリエーションは増加傾向に。

そこで、素材によって味にどんな違いがあるのかを調べてみました。

植物性ヨーグルトの風味を一挙比較!

今回は、豆類・穀類・ナッツ類・芋類の4つのカテゴリから7つの商品をピックアップしました。素材を発酵させたときの特徴がわかりやすいよう、できるだけ副材料が少なく、ベーシックな作り方のものを選びました。

[豆類]

豆乳グルト(マルサンアイ株式会社)

豆乳グルト(マルサンアイ株式会社)

豆乳や味噌など大豆加工製品で国内トップクラスのシェアを誇る食品メーカー、マルサンアイの看板商品。「豆乳グルト」は2010年に発売され、シリーズ累計6000万個を出荷したロングセラーです。

主原料 豆乳(大豆を含む)

使用している菌 乳酸菌TUA4408L
生成(きなり)色
テクスチャー 牛乳のヨーグルトに近い硬さ・質感。混ぜるとなめらかになり、とろみが出る。口当たりはまったりしていてクリーミー。
香り・味 甘酸っぱい独特の香り。酸味が強めで、やや漬物っぽさや青臭さあり。じんわり余韻の残る味。
クセの強さ ★★★★☆
甘み ★☆☆☆☆
酸味 ★★★★☆

ナチュレ 恵 megumi 植物生まれ(雪印メグミルク株式会社)

ナチュレ 恵 megumi 植物生まれ(雪印メグミルク株式会社)

日本屈指の乳業メーカーであり、地球規模の社会課題に取り組む雪印メグミルクの植物性ヨーグルト。ガセリ菌SP株等の健康価値はそのままに、大豆やアーモンドよりも、生産過程で水の使用量やCO2の排出量が少なく、環境負荷の低いえんどう豆を主原料した商品です。

主原料 えんどう豆たんぱく質

使用している菌 ガセリ菌SP株・ビフィズス菌SP株
やや赤みがかった生成(きなり)色
テクスチャー スプーンですくうとサクッと割れて寒天っぽさがあるが、よく混ぜると糊状になる。口当たりはなめらか。(寒天は不使用)
香り・味 甘酸っぱい独特の香り。香料を使っているため、香り立ちが強め。後味にえんどう豆の皮っぽい青臭さあり。
クセの強さ ★★★★★
甘み ★★☆☆☆
酸味 ★★★☆☆

※販売休止中(2026年4月現在)

[穀類]

玄米ヨーグルト(株式会社神明)

玄米ヨーグルト(株式会社神明)

お米を軸に、原料調達から商品開発・流通まで一貫して手がける神明の玄米由来のヨーグルト。玄米をまるごとすりつぶして作った玄米ミルクを乳酸菌で発酵。原料には米油やライスプロテインも加えており、米をフル活用した商品です。

主原料 玄米粉

使用している菌 不明
やや赤みがかった暗めのベージュ
テクスチャー 表面にはツヤがあり、ぷるんとしたババロアのような質感。よく混ぜると液状になるが、小さな塊は残る。
香り・味 甘酸っぱい独特の香り。香り・味ともに甘さが強めだが、フラクトオリゴ糖の甘みではなく、玄米が発酵して生まれた甘みと思われる。甘酒にも似ているが、より甘みがおだやかで玄米の香ばしさが感じられる。酸味はシャープでフルーティー。
クセの強さ ★★★☆☆
甘み ★★★★☆
酸味 ★★★☆☆

アレルノン(株式会社ヤサカ)

アレルノン(株式会社ヤサカ)

会長の八坂氏が自身の体調不良をきっかけに開発したお米由来のヨーグルト。厳選したお米を粉にし、湧き水で炊き上げ、植物性乳酸菌で発酵させています。受注生産のため、毎週金曜日のみ発送。

主原料 有機米(国産)

使用している菌 不明(滋賀県高島市の伝統的な発酵食品から取り出した乳酸菌)
やや透明感のある白色
テクスチャー ねっとりした糊状。溶けたお餅のような舌触り
香り・味 香り立ちは控えめだが、レモンのようなシャープな香りと酸味がある(製造後の日数が長いと発酵が進んで酸味が強くなりやすい。また、よく冷えているほうが甘みと酸味のキレがよくなり、はっきりと感じられる)。
クセの強さ ★★☆☆☆
甘み ★★☆☆☆
酸味 ★★★★★

[ナッツ類]

クリエイト THEアーモンドヨーグルト(国分グループ本社株式会社)

クリエイト THEアーモンドヨーグルト(国分グループ本社株式会社)

日本最古の食の総合商社であり、「缶つま」ブームを作った国分グループが手掛ける商品。2020年の発売から3回に渡ってリニューアルされ、アーモンドの香ばしさや甘みが調整されています。

主原料 アーモンドペースト

使用している菌 不明
やや赤みがかった暗めのベージュ
テクスチャー 表面に、発酵時に生じたと思われる泡立ちあり。泡の下は柔らかくなめらかな質感で、容器を横に倒すと流れるくらいゆるめ
香り・味 香料が入っているため、アーモンドの甘く香ばしい香りが強い。フラクトオリゴ糖ときび糖の甘みがあるが、かなり控えめ。酸味は弱く、穏やか。アーモンドペーストの重さはなく、さらっとした口当たりであっさりしている。
クセの強さ ★☆☆☆☆
甘み ★★★☆☆
酸味 ★☆☆☆☆

ココナッツミルクヨーグルト(イオン株式会社)

ココナッツミルクヨーグルト(イオン株式会社)

イオンのプライベートブランド「トップバリュ」の植物由来食品シリーズ「Vegetive(ベジティブ)」の一商品。圧倒的な調達規模によって値頃な価格を実現しています。

主原料 ココナッツミルク

使用している菌 不明(植物性乳酸菌)
白色
テクスチャー 柔らかくふんわりしたクリーム状
香り・味 ココナッツミルクの自然でやさしい香り。ココナッツのほのかな甘みと爽やかな酸味。さらっとした口当たりだが、脂質が多いためまったり感が舌に残る。
クセの強さ ★☆☆☆☆
甘み ★★☆☆☆
酸味 ★★☆☆☆

[芋類]

おいもでつくったスイーツヨーグルト(株式会社プレシア)

おいもでつくったスイーツヨーグルト(株式会社プレシア)

コンビニやスーパー向けのデザートを手掛けるプレシアから、「甘いものが食べたいけれど、ちゃんと自分もいたわりたい」という気持ちに寄り添うべく開発された商品。さつまいもペーストは、北海道産を100%使用し、自社グループで栽培からペースト加工まで一貫管理されている。

主原料 さつまいもペースト

使用している菌 ビフィズス菌BB-12
焼き芋のような黄土色
テクスチャー 見た目は芋羊羹のようだが、スプーンですくうと柔らかく、固まり方は弱め。よく混ぜるとペースト状になる。
香り・味 さつまいもと砂糖のカラメリックな香り。甘みはかなり強めでシャープ。酸味も強いが、甘みと一体になっていて発酵感は少ない。商品名通りスイーツ感が強く、レモン汁を多めに入れたスイートポテトのようなイメージ。
クセの強さ ★☆☆☆☆
甘み ★★★★★
酸味 ★★★★☆

植物性ヨーグルトの特徴は、素材由来の香りとテクスチャー

こうして実際に比較してみると一口に“植物性ヨーグルト”といっても素材によって様々な特徴があることが改めてよくわかりました。

タンパク質・脂質・炭水化物など、栄養成分の割合で傾向がつかめる部分もあれば、さらに踏み込んだ脂肪酸組成など、食味に関係がありそうなことも見えてきて、単純に分類するのは困難でしたが、だからこそ発酵の奥深さも感じることができました。

そもそも、植物性ヨーグルトに共通する最も大きな特徴の1つは、独特の香りです。これは原材料由来のものですが、牛乳のヨーグルトにはない香りのため、植物性のヨーグルトにはクセがあると感じる人が多いのが正直なところかと思います。

しかし、この“クセ”をできるだけ抑えるべく、使用する菌や原材料の加工方法、素材の組み合わせなどはメーカー各社が研究を重ねており、リニューアルする中でクセの少ないものも増えてきているように思います。

また、植物性ヨーグルトのテクスチャーについては、原材料によってかなり違いがあります。主に影響するポイントはタンパク質含量、主原料の粘度、固める材料の有無です。

原材料のタンパク質含有量が多ければ発酵の力で固まりますが、豆類以外は基本的にタンパク質が少ないため、固めるための材料を添加するか、原材料の粘度を利用してペースト状に仕上げるかのどちらかになります。

固める材料には寒天、オオバコ種皮(サイリウムとも呼ばれます)が使われることが多く、この2つを使ったヨーグルトは、スプーンですくったときに「ぷりもち」な質感になる傾向です。いずれも植物性の原材料であることや、牛乳のヨーグルトに近いテクスチャーをつくるための工夫として使用されていると考えられます。

植物性乳酸菌とは?

気になる乳酸菌は、公表されているものとそうでないものがありましたが、豆乳グルト、アレルノン、ココナッツミルクヨーグルトには植物性乳酸菌が使われています。

植物性乳酸菌とは、植物の表面や漬物や味噌のような、植物性の発酵食品などから見つかった乳酸菌の呼び名です。

菌の分類はあくまで「細菌」であり、実際は動物でも植物でもない上、同じ菌が動物の体内や動物性の食品から見つかることもあります。そのため、本来は植物性か動物性かで分類することはできないのですが、何由来の菌かを知る1つの情報と捉えるといいでしょう。

そもそも植物性ヨーグルトは、植物性乳酸菌でないとうまく発酵しない場合もあるようです。

なぜなら、牛乳には乳糖などの栄養分がたくさん含まれていますが、植物性素材には菌が利用しやすい栄養分が少ないため、それをうまく利用できる菌でないと生育することができません。そのため、もともと植物に棲んでいて、植物性素材の発酵が得意な植物性乳酸菌の力を借りるというわけです。

ちなみに、植物性の発酵食品は塩分や酸の強いものが多く、過酷な環境のため、植物性乳酸菌はタフだとも言われます。これもあくまで植物性か動物性かというより個々の菌の特性ではありますが、食べた後の人間の体の中においても、胃酸などに耐えて生きて腸まで届きやすい傾向があるようです。

食の選択肢を増やす植物性ヨーグルト

植物性ヨーグルトには一部のビタミンや食物繊維など、牛乳にはない栄養成分が含まれているものもあります。そもそも、

①乳アレルギーや乳糖不耐症などの健康上の理由
②ヴィーガンやベジタリアン、環境保護などの思想上の理由
③味の好みや栄養機能などの付加価値的な理由

といったニーズから、裾野を広げてきたのが植物性ヨーグルトです。牛乳のヨーグルトとどちらが優れているというものではなく、シーンや目的に応じて使い分けることで、食生活がより豊かになればいいですね。

記事を書いた人

花映
花映

中学生の頃、菌や製造方法などによってヨーグルトの味が大きく異なり、食べ方にも多彩なアレンジがあることを知り、ヨーグルト専門店を開くことが夢に。
社会人になり、食品添加物メーカー勤務の傍らお店を開いたり、乳酸菌の機能について調べるうち、人によって相性のいい菌が異なることに気づく。
腸内環境に秘められたヘルスケア領域でのポテンシャルを確信し、生活者に本当に役立つ情報を発信すべく、腸内細菌領域のバイオテック企業に勤務。
現在は自身の経験や食品業界・腸内環境研究業界の知識を活かして、一人ひとりに合ったヘルスケアを提案すべく活動中。

Instagram
@hanae_yogurt

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