こんにちは。筆者は「すしログ」という鮨専門サイトを運営しつつ、国内外の料理を食べ歩いて20年の「食の変態」大谷だ。食のために世界を放浪し、石毛直道先生を敬愛して文化人類学を専攻。食べ歩くだけではなく自ら料理することを是としている。
今回ご紹介する「ギリシャ家庭料理フィリ」は、「家庭料理」を謳いつつ、洗練された調理でギリシャ料理の魅力を伝えてくれる優良店だ。

こちらの店は、料理以外にも 「ギリシャと言えば」なギリシャヨーグルトや、オリーブオイルなどの調味料もハイクオリティ。輸入業も行っているようなので、強みがいかんなく発揮されている。
それでは、「ギリシャ家庭料理フィリ」の魅力をお伝えしよう。
ギリシャ料理の“はじめの1歩”に。洗練された家庭の味

「ギリシャ家庭料理フィリ」は、2018年6月にオープンして以来、安定した人気を誇っている。というのも、以前訪問しようとしたところ、WEB予約が埋まっていることが2度もあったのだ。
立地もジャンルも意外性のある「浅草橋×ギリシャ料理」でありながら人気、というのは素晴らしい。いざ伺ってみて、美味しくて居心地が良いので評判のよさに納得した。

お料理は全般的に油脂も塩分も強くなく、食後は心地よい軽やかさがある。
シーフードのメニューも多いので、満足感はあるのにヘルシーに感じる。野菜も魚も多く食べる地中海料理は日本人の幅広い層に馴染みやすく、ギリシャ料理が初めての人でも安心だ。
確かな満足感と軽やかな食後感。「ギリシャ家庭料理フィリ」の料理を紐解く
「ギリシャ家庭料理フィリ」でいただいた料理は以下のとおりだ。
こちらのお料理は幾つかのプリフィックスコースで構成されている。私はヨーグルト料理を確実に食べたいのと、その時の気分で料理を決めるのが好きなので「25種のお料理からアラカルトで選べるコース」を選んだ。

選べるお料理のバリエーションは豊富なので、個人的にオススメである(公式サイトより予約可)。



この度いただいたメニューは以下の通り。
- 25種のお料理からアラカルトで選べるコース:4,200円
- ギリシャヨーグルト:600円
- アシルティコ:1,050円
- ヴィディアノ:950円
- ギリシャのウゾ:850円
それでは、実際の料理のレポートをお届けしよう。
タラモサラダ、ジャジキ(ザジキ)、フムスで構成されている。付け合わせの生野菜は蕪とセロリだ。
ジャジキは、ギリシャ料理に欠かせない定番のディップソースで、水切りした濃厚なグリークヨーグルトをベースに、細かく刻んで水気を絞ったキュウリ、ニンニク、オリーブオイル、そしてディルやミントなどのハーブを混ぜ合わせた伝統的なソースである。ギリシャでどのように食べられているのかは、ヨーグルトアカデミーのこちらの記事を参照して頂きたい。
こちらのお店のジャジキは水分がとても少なく、濃密なテクスチャー。濃厚な味わいであるニンニクの使用量は上品で、塩気も程良くて美味しいジャジキだ!
また、酸味とコクでヨーグルトの魅力と、ヨーグルトが料理に合うことを伝えてくれる。ギリシャヨーグルトは酸味が強めだがコクも強いので、ディップに活用できるのだ。
フムスはこれまた濃密で、みっちりしていて胡麻がたっぷり使用されている!オリーブオイルよりも、胡麻の油脂でねっちり感があるフムスは結構珍しく、香りが良く、味わいが濃い。フムスは中東の各国料理店でもいただけるが、こちらのフムスはかなり美味しく、日本人が好きな味わいの方向性である。
タラモサラダの魚卵はたらこを使っていて、さらっとした軽やかな口当たりだ。生野菜と合わせると口中調味で違ったサラダになる。
また、こちらのお店はバゲットも美味しいのが好印象だ。
パンとともにサービスでいただいたオイル。香り高く、いかにも健康になりそうなオイルだ。
スパナコピタは「バターを使わず、オリーブオイルで焼き上げるパリパリ&ヘルシーなほうれん草のパイ」とのことで、説明どおりであった。
決して重たくなく、それでいて味わい深い。一口目からほうれん草の香りと甘味が広がり、うっとりする。
生地は極薄でパリパリ、サクサク。食感も楽しい料理だ。どうやらフェタチーズが使われているようでコクが活きている。フェタチーズとほうれん草の相性はバッチリだ。
ムサカは茄子、ジャガイモ、ミートソース、ベシャメルソースを用いるギリシャ式のグラタン。ミートソースからシナモンの甘やかな香りが上品に広がり、食欲を刺激する。
ベシャメルソースは油脂が軽やかだが、それでいてコクがたっぷり。茄子がとろりとしている反面、焼き込んだ芋のねっちり、むっちりした食感がコントラストを生み出し、軽やかな印象に貢献している。実に美味しいムサカだ。
ガリデス・サガナキは海老のグリルで、トマトソースにはハーブとスパイス、フェタチーズが使用されている。甘味の強い「天使の海老」とアニスが香るトマトソースの組み合わせが面白い。
フェタチーズはトマトソースに自然に馴染むところが特徴だと実感する。チーズのクセを与えずにコクを与えてくれる。
カラマリ・プシトは「オレガノとレモンをたっぷり効かせたイカのグリル」という説明もさることながら、「サントリーニ島の名産・ファハ豆のディップ」が大いに気になり注文した次第。
結果的に印象深く美味しい一皿であった。イカの甘味と旨味に、さらっとした豆のディップが穏やかにコクと香ばしさを添える。レモンとディップの相性も良い。
別途ご提供いただいたグレープフルーツオイルは、グレープフルーツの華やかな香りとほろ苦さが活きていて面白い!
レモンにしてもグレープフルーツオイルにしても、明るい気持ちになる味だな〜と実感。香りと酸味が爽やかで気分を上げてくれる料理だ。
粘度がありコクがたっぷりで酸味が爽やかなギリシャヨーグルト。シナモンがほんのりと香り、上品なニュアンス。くるみとタイムの蜂蜜もアクセントになる。シンプルながら充実感が強いデザートだ。
最後に頼むと満足度が高まるので、是非ともオーダーしてみて欲しい(2人で1つシェアでも大満足であった)。
お酒は珍しいギリシャのワインや蒸留酒を用意されている。
アシルティコはギリシャを代表する白ワイン品種だそう。柑橘系のフレイバーと酸味が爽やか。
ヴィディアノは、より甘やかな香りの白ワインで、白桃のアロマを感じる。
ウゾはギリシャを代表するアニスの蒸留酒。
なお、ギリシャ料理について、私は本サイトで「タベルナ・ミリュウ」というお店を紹介しているが、各々異なる魅力があると感じる。それぞれの店で同じ料理をいただくと、違いや個性がわかるので、関心のある読者さんは、本サイトで同一ジャンルのお店を2店選び食べ比べてみると面白いだろう。
ともあれ、「ギリシャ家庭料理フィリ」は人気のあるお店なので、早めの予約が望ましい。
ギリシャ家庭料理フィリ
電話番号:03-6240-9027
予約可否:可能
住所:東京都台東区浅草橋2-15-3 フィルパーク浅草橋 1F
営業時間:火~金17:00~22:00(L.O. 料理21:00 ドリンク21:30)、土12:00~14:30(L.O. 14:00)・17:00~21:00(L.O. 20:30)、日12:00~14:30(L.O. 14:00)
定休日:月曜
公式サイト:https://jp-fili.com/

