ギリシャの伝統的な“水切り製法”で作られたグリークヨーグルト(ギリシャヨーグルト)が、依然として人気です。
近年における火付け役は、韓国のアイドル。ボディメイク中に頼れるヘルシーフードとして紹介したことがきっかけとか。
その濃厚な味わいはクリームチーズによく例えられますが、同等のおいしさでも低カロリーなのはやはり魅力的。トレンド発信地の韓国では、ヘルシーなランチとしても親しまれています。
そこで本稿では、市販のメジャーなグリークヨーグルトの栄養価にフォーカス。各商品のカロリーや炭水化物(糖質)といった成分比較のほか、スタンダードなプレーンヨーグルトやクリームチーズとも比較し、改めてその魅力に迫ります。
最もヘルシーなグリークヨーグルトは意外にもPB!
ピックアップした市販のグリークヨーグルトは5商品。日本初のグリークヨーグルトブランド「ギリシャヨーグルト パルテノ」を筆頭に、100gあたりのカロリーや炭水化物と、味わい特徴などを紹介していきます。

ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン砂糖不使用
森永乳業株式会社
日本発のグリークヨーグルトブランドはエントリー層におすすめ!
「ギリシャヨーグルト パルテノ」は、2011年に日本初のグリークヨーグルトブランドとして誕生。丁寧にヨーグルトの水分を取り除き、手間ひまをかけることで、濃厚&クリーミーなやさしい味わいがぎゅっと凝縮されています。
豊富なラインナップがある中、ここでは定番の「ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン砂糖不使用」をご紹介。
【価格】
166円(税別)
【販売地域】
全国のスーパー、コンビニ各店
【内容量】
100g
【栄養成分】(1個135gあたり)
- エネルギー:99kcal
- たんぱく質:10.2g
- 炭水化物:4.9g
- 脂質:4.3g
- 食塩相当量:0.09g
- カルシウム:113mg
他ブランドに比べて秀でている点は、食塩相当量の少なさ。また、同じカロリーの「アテナ ギリシャヨーグルト」(後述)より低炭水化物&低脂質であることもわかりました。
「ギリシャヨーグルト パルテノ」はTVCMでもおなじみであり、知名度が高い分、取り扱い店舗も多く、入手しやすい商品です。その点からも、エントリー層におすすめできるグリークヨーグルトといえます。

トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン
イオン株式会社
プレーンヨーグルトを3倍濃縮。PBで実現した高スペック
イオンが手掛けるPB(プライベートブランド)の「トップバリュ ギリシャヨーグルト」は、⽔切り製法により約3倍に濃縮したグリークヨーグルト。たんぱく質は同社の通常ヨーグルトの約2倍を誇り、ヘルシーに仕上げられています。
こちらもフレーバーのバリエ―ションは多く、中でも低カロリー&高たんぱくなのが「トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン」です。
【価格】
128円(税別)
【販売地域】
全国のイオングループ各店
【内容量】
110g
【栄養成分】(1個100gあたり)
- エネルギー:約60.9kcal
- たんぱく質:約10.8g
- 炭水化物:約4.5g
- 脂質:0g
- 食塩相当量:約0.09g
- カルシウム:約117.3mg
同商品は、今回の比較で最もダイエッター向けでした。カルシウム以外のすべての数値が低く抑えられています。脂質が0gであるため、味わいの面では濃厚さに欠けるかもしれませんが、ボディメイクに取り組む人に最適なグリークヨーグルトだといえます。

ダノン オイコス タンパク質18g 脂肪0 プレーン砂糖不使用
ダノンジャパン株式会社
低脂肪&高たんぱくヨーグルトの代名詞。コンビニで入手しやすいメジャーブランド
“カラダ動かす、ジブン追い越す。”を掲げ、アクティブなライフスタイルを送る人々をサポートする水切りヨーグルトが「ダノン オイコス」です。
2020年4月からは、全ラインナップのたんぱく質含有量を10g以上へとアップデート。なかでも18gとハイスペックな商品が「ダノン オイコス タンパク質18g 脂肪0 プレーン砂糖不使用」です。
【価格】
オープン価格
【販売地域】
全国のスーパー・コンビニ各店
【内容量】
170g
【栄養成分】(1個100gあたり)
- エネルギー:約62.9kcal
- たんぱく質:約10.6g
- 炭水化物:約4.6g
- 脂質:0g
- 食塩相当量:約0.12g
- カルシウム:約120mg
前述「トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン」に次ぐ、ヘルシーなグリークヨーグルトがこちら。各スペックもほぼ僅差であり、イオングループの店舗が近くにない人には頼りになる商品だといえるでしょう。

クリエイト ギリシャヨーグルト
国分グループ本社株式会社
ギリシャ古来の菌株で発酵。リッチなおいしさを求めるグルメ派に
「クリエイト ギリシャヨーグルト」は、アテネ農業大学乳製品研究所が認めたギリシャ古来の菌株「サーモフィラス菌(ACA-DC0029™)」で発酵させたグリークヨーグルト。定番の「クリエイト ギリシャヨーグルト」と、より低カロリー&高たんぱくな「GREEK プロテインヨーグルト」があり、ここでは前者をメインに紹介します。
【価格】
440円(税別)
【販売地域】
全国のスーパー各店
【内容量】
350g
クリエイト ギリシャヨーグルト
【栄養成分】(1個100gあたり)
- エネルギー:109kcal
- たんぱく質:7.4g
- 炭水化物:6.1g
- 脂質:6.1g
- 食塩相当量:0.1g
- カルシウム:210mg
GREEK プロテインヨーグルト
【栄養成分】(1個100gあたり)
- エネルギー:56kcal
- たんぱく質:8.1g
- 炭水化物:6.7g
- 脂質:0.2g
- 食塩相当量:0.1g
- カルシウム:250mg
ダイエッターにとって「クリエイト ギリシャヨーグルト」が他商品より優れているポイントはありませんが、カロリーと脂質が高いため味はきわめて濃厚。
一方、姉妹品の「GREEK プロテインヨーグルト」は低カロリー&高たんぱくであるうえ、カルシウム含有量がハイスペックです。

アテナ ギリシャヨーグルト
日本ギリシャヨーグルト株式会社
コストコで人気に!日々楽しめる1kg入り
「アテナ ギリシャヨーグルト」は、コストコで取り扱われている注目商品として話題になったグリークヨーグルトです。こちらも前述「クリエイト ギリシャヨーグルト」同様「サーモフィラス菌(ACA-DC0029™)」を使用した、本場そのままの味わいが魅力。1kg入りなので、家族で食べる人や、ヨーグルトを食べる習慣がある人などには特におすすめです。
【価格】
1,336円(税別)
【販売地域】
全国のコストコ、成城石井など(※取り扱いのない店舗も)
公式オンラインショップ:GARDEN FOODS
【内容量】
1kg
【栄養成分】(1個100gあたり)
- エネルギー:99kcal
- たんぱく質:7.6g
- 炭水化物:5.6g
- 脂質:5.1g
- 食塩相当量:0.1g
- カルシウム:234mg
今回の比較では「アテナ ギリシャヨーグルト」にカロリー的な優位性はありません。しかし、カルシウムに関しては5商品中最もハイスペック。カルシウムに重きを置いている人には、特におすすめできるグリークヨーグルトです。
プレーンヨーグルトやクリームチーズとの栄養価を比較してみた
5つのグリークヨーグルトを紹介しましたが、これらを通常のプレーンヨーグルトと比べた場合、どれほど栄養価に差があるのでしょうか。
また、グリークヨーグルトは低カロリーなベネフィットに加え、乳脂肪由来のリッチな味わいがクリームチーズの代替になるという魅力も見逃せません。
そこで、プレーンヨーグルトとクリームチーズとのスペックを、上記グリークヨーグルトと比較してみました。わかりやすいよう、一覧にしたリストとともに紹介します。

明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン
株式会社明治
プレーンヨーグルトの商品は日本初のプレーンヨーグルトとしても有名な「明治ブルガリアヨーグルト LB81プレーン」と、同ブランドの「脂肪0」対象としました。 なお、プレーンヨーグルトの水分を切り、約半分の重量になったものがグリークヨーグルトであることから、プレーンヨーグルトの栄養素は200gで算出しています。
明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン
【栄養成分】(1個200gあたり)
- エネルギー:124kcal
- たんぱく質:6.8g
- 炭水化物:10.6g
- 脂質:6.0g
- 食塩相当量:0.26g
- カルシウム:218mg
明治ブルガリアヨーグルト LB81プレーン脂肪0
【栄養成分】(1個200gあたり)
- エネルギー:82kcal
- たんぱく質:8.2g
- 炭水化物:12.2g
- 脂質:0g
- 食塩相当量:0.28g
- カルシウム:248mg

フィラデルフィアクリームチーズ
森永乳業株式会社
クリームチーズは、日本で初めてクリームチーズ商品として発売された「フィラデルフィア」。こちらはグリークヨーグルトと同様に100gで算出しました。
【栄養成分】(1個100gあたり)
- エネルギー:309kcal
- たんぱく質:7.9g
- 炭水化物:2.7g
- 脂質:29.6g
- 食塩相当量:0.9g
- カルシウム:76mg
グリーク・プレーン・クリームチーズの栄養成分比較総まとめ
以下、今回紹介した全商品の栄養成分比較一覧です。

グリークヨーグルトとプレーンヨーグルトの比較に関しては、半量になることを踏まえても、基本的にはグリークヨーグルトのほうが低カロリー&高たんぱくだといえそうです。ただ、プレーンヨーグルトでも脂肪0タイプの場合は、グリークヨーグルト以上に各数値の低い商品も。
他方、炭水化物に関してはクリームチーズのほうが、ヨーグルトより低い傾向にあることが判明。これは、一般的にチーズのほうがヨーグルトより乳糖の含有量が少ないからかもしれません。
一方で、クリームチーズは乳脂肪を多く含むため脂質やカロリーが高め。ローカーボとはいえ、気を付けておきたい点です。
目的別!おすすめのグリークヨーグルトは?
最後に、本稿で紹介したグリークヨーグルトの中から、目的別におすすめの商品をピックアップ。上記の一覧表とともに、ぜひ参考にしてください。
- 濃厚なコクを求めるグルメ派には「クリエイト ギリシャヨーグルト」
- マッチョを目指す高たんぱく派には「トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン」
- 外食が多く低脂肪タイプを探している人には「トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン」「ダノン オイコス タンパク質18g 脂肪0 プレーン砂糖不使用」
- 低カロリーを優先するダイエッターには「トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン」
なお、グリークヨーグルトが低カロリー&高たんぱくである理由は、ヨーグルトに含まれるホエイ(乳清)が取り除かれるから。ホエイに含まれる乳糖が減り、同時に水溶性のホエイプロテインも一部失われますが、ヨーグルトの主成分であるカゼインなどのたんぱく質は残るため、重量あたりのたんぱく質含有量は高くなります。
ホエイの除去は、自宅などでも簡単に実践可能。「みんなのヨーグルトアカデミー」でも、『水切りヨーグルトのレシピ』や『水を切らない水切りヨーグルトのレシピ』を紹介しているので、ぜひ試してみてください。