こんにちは、ヨーグルトマニアの向井智香(むかいちか)です。
3/10~13に東京ビッグサイトで開催された食品・飲料展示商談会「FOODEX(フーデックス)JAPAN 2026」にて、世界のヨーグルトのトレンドを調査してきました。
アジア最大級の展示商談会とあって、今年の出展社数は世界76カ国・地域から3,238社。ノープランではとても回りきれないボリュームです。
事前にしっかりと情報を集め、ブース番号をメモしたら、いざ出発です!
目次
- 放牧グラスフェッドミルクが香る!「ミルクデザイン」のヨーグルト|北海道西おこっぺ
- 日本で唯一!アングラー種の生乳を配合した「牧家」のヨーグルト|北海道伊達市
- 発酵感が食事系アレンジに映える「Chinook Cheese」のギリシャヨーグルト|カナダ
- 植物性ヨーグルトがスナックに!「Tropical Link Canada」のフリーズドライココナッツヨーグルト|カナダ
- 親子で夢中!恐竜型のグミヨーグルト「HEY YUM!」のヘルシーおやつ|デンマーク
- 400店舗超の熱狂。大人気フローズンヨーグルトブランド『ヨアジョン』|韓国
- 濃度はお好みで!ミルクで割って楽しむ『N-CHOICE』の粉末ヨーグルト|韓国
- 遊牧民の知恵をキューブに凝縮。ヤクの乳で作る『Tugs Uurag』のフリーズドライヨーグルト|モンゴル
- 食材・菓子・防災備蓄…保存性と汎用性が拓くヨーグルトの新たな分岐点
放牧グラスフェッドミルクが香る!「ミルクデザイン」のヨーグルト|北海道西おこっぺ
まずは国内ブースから視察スタート!最初に、萩原(はぎわら)牧場さんのグラスフェッドミルクを扱う、ミルクデザインさんのブースにお伺いしました。

グラスフェッドとは、穀物飼料に頼らず牧草(グラス)主体で牛を育てる飼育方法です。
萩原牧場さんでは、北海道で農薬や化学肥料を使わずに牧草地の土づくりを行い、少頭数飼育でのびのびと放牧を行っています。
ミルクデザインさんはその生乳を独自流通で仕入れ、牛乳・乳製品を製造販売する会社。2021年8月に設立され、ヨーグルトは飲むタイプから製品化。最近新たにプレーンヨーグルトもデビューしました。
グラスフェッドミルクらしい独特の風味が感じられる仕上がりで、こだわりの食品を扱う小売店などで少しずつシェアを広げていらっしゃいます。
日本で唯一!アングラー種の生乳を配合した「牧家」のヨーグルト|北海道伊達市
お次は北海道伊達市で、自社牧場と近郊酪農家の生乳を原料に、牛乳・乳製品を製造する牧家(ぼっか)さんのブースへ。

ブースの壁には白黒のホルスタインさんだけでなく、赤茶色の牛さんの姿が。これはドイツのアンゲルン地方原産の乳牛「アングラー種」で、日本で飼育しているのは牧家さんの自社牧場のみ!
乳製品は、近郊酪農家のホルスタイン種の生乳とミックスして製品化されています。
飲むヨーグルトはもったりと重みのある、とても贅沢な仕上がり。昨年リニューアルされ、ローズ水やベルガモット、赤しそなど“香り”を利かせたフレーバー展開で、他にない魅力を放っています。

また、去年バケツ型容器でデビューした牧家さん初のプレーンヨーグルトに、アルミパウチ容器入りが新たに加わりました。無脂乳固形分10.5%、乳脂肪分5.0%と濃いめに調整された仕上がりで、水切りせずとも食事系のアレンジに活用しやすい商品となっています。

発酵感が食事系アレンジに映える「Chinook Cheese」のギリシャヨーグルト|カナダ
食事系のアレンジに使いやすい商品といえば、カナダのChinook Cheeseさん。酪農が盛んなアルバータ州カルガリーにて、カナダ産の生乳を原料に、ギリシャヨーグルトをはじめ、地中海風の乳製品を製造されていらっしゃいます。

写真手前の残り少なくなっているプレートがギリシャヨーグルト。きゅうりの上に盛り付けてあり、ハーブや柑橘の皮がトッピングされています。
日本で市販されているギリシャヨーグルトより酸味があり、食事系のアレンジでとても映えます。
ヨーグルトに甘みをつけて食べる習慣のある日本では、酸味を抑えたもっちり食感のヨーグルトがトレンドですが、古くから食事の一部として取り入れてきた地中海周辺の国々では「発酵の酸味」が食材の魅力を引き出すエッセンスだったのかもしれません。
植物性ヨーグルトがスナックに!「Tropical Link Canada」のフリーズドライココナッツヨーグルト|カナダ
同じくカナダエリアで見つけたのが、キューブ状のお菓子。

これは「Freeze-Dried Coconut Yogurt Bites」といって、ココナッツクリームを原料にした植物性ヨーグルトをフリーズドライにしたもの。サクっと歯を入れて唾液で溶かしながら味わうと、ココナッツの甘い風味が広がります。
そういえば【2026年2月】ヨーグルトも多様性の時代へ!つまめる&BMI対策できる注目の新商品3選 by ヨグマルで紹介されていた、お子様向けのフリーズドライヨーグルト「Meltto(メルット)」も原産国はカナダ。
カナダでは固形タイプのヨーグルトが流行っているのかお聞きしてみましたが、まだ珍しいもので、この商品も正式には発売されておらず、日本への販路も未確定とのこと。
聞くところによると、こうして食品の質量を減らすことが流通コストや包材資材の削減につながるというサステナビリティの考え方もあるそうです。全体の90%近くを水分が占めるヨーグルトの新形態として注目のジャンルですね。
親子で夢中!恐竜型のグミヨーグルト「HEY YUM!」のヘルシーおやつ|デンマーク
次に向かったのはデンマークエリア。目に飛び込んできた可愛らしいパッケージは、オーガニック菓子メーカー「HEY YUM!」さんのグミです。

右から二番目、赤いパッケージの「TRIASSIC GARDEN!」はスキムミルクヨーグルトの粉末を配合したグミ。恐竜の形が可愛らしく、フルーティな風味でお子様にも好まれそう。
硬めの仕上がりでしっかりと咀嚼するので満足感もありました。日本では「ビオセボン」で購入可能です。

400店舗超の熱狂。大人気フローズンヨーグルトブランド『ヨアジョン』|韓国
次にやってきたのは韓国エリア。
韓国で400店舗以上を展開する人気フローズンヨーグルトブランドのヨアジョンさんは、現在日本でのフランチャイズ展開にも力を入れていらっしゃいます。試食の大行列でヒアリングの隙がなかったので、個人の感想のみで失礼します。

ソフトクリームのように絞られたフローズンヨーグルトに、いちごやハニカムはちみつ、グラノーラらしきものがトッピングされており、風味豊かに楽しめます。
ヨアジョンさんご自身が「フローズンヨーグルト」という表現を用いていらっしゃるので表記を合わせましたが、個人的には「ヨーグルトアイス」と表現したくなる仕上がりです。
このようにフローズンヨーグルトないしはヨーグルトアイスにトッピングを施して楽しむタイプの専門店は、韓国の流行を受けて去年あたりから日本でも続々とオープンしています。年々厳しくなる日本の夏に、これは嬉しいトレンド。
濃度はお好みで!ミルクで割って楽しむ『N-CHOICE』の粉末ヨーグルト|韓国
もう1つ、韓国エリアでおもしろいものに出会いました。
「Yogu Yogu」という粉末状のヨーグルト素材です。

ブルーベリーや苺のフレーバーがついており、このスティック1本(30g)を、100〜130mlの牛乳に溶かして楽しみます。常温で長期保存が可能で、ヨーグルトボウル、スムージー、デザート作りにも活用できるそう。サンプルを頂いたので自宅で試してみました。

溶かすのに少し時間はかかりますが、スプーンで混ぜていると程よいとろみが出てきます。お味は甘酸っぱく、ミルク感あふれるヨーグルト。
なるほど、粉末側の乳は発酵済みですが、牛乳に溶かしているので発酵してない乳の味わいも同時に味わえるのですね!
ロングライフ牛乳(常温で長期保存可能な牛乳)と合わせて常備すれば備蓄食になりますし、牛乳そのままの味があまり得意ではない人の味変・健康素材としても楽しめそうです。
日本でも粉末のヨーグルトは存在しますが、製菓材料としての使われ方が主流。このように手軽なスティック状でご家庭向けに開発された商品はとても新鮮に感じました。
遊牧民の知恵をキューブに凝縮。ヤクの乳で作る『Tugs Uurag』のフリーズドライヨーグルト|モンゴル
さて、最後にご紹介するのは大本命のモンゴルパビリオン。ここは熱く語らせてください。

ヤクが背後から顔を覗かせるこのブースに展示されているのは、Tugs Uuragさんのヤクのフリーズドライヨーグルト「TugsBio(トゥグス バイオ)」。これを食べるのをずっと楽しみにしておりました。
ヤクは極寒の高地に生息するウシ科の動物です。

モンゴルは中国に次いで二番目の生息地ですが、乳量が少なく、モンゴル国内でもヤクミルクは多く出回っていないそう。
そんな貴重なヤクミルクのヨーグルトが日本で味わえるなんて、またとない機会です。

TugsBioの容器は2種類ありますが、カップタイプは日本ではすぐに湿ってしまい適さないとのこと。乾燥地帯のモンゴルと湿度の高い日本とでは、保存食の在り方も異なります。
中身はカナダエリアで出会った「Freeze-Dried Coconut Yogurt Bites」同様、カラフルで小さなキューブ状になっています。

まずはヤクのヨーグルトをそのまま凍結乾燥させただけのプレーンタイプから。恐る恐る口に運んでみましたが、うっすらと乳の味がする程度?
……と思いきや!
歯を立ててサクッと崩し、唾液と混ぜ合わせていくうちに突然おいしくなるではありませんか!
体温と馴染んだヤクのヨーグルトがじんわりと濃厚に風味を広げ始め、ヨーグルトのような、チーズのような、なんともコクの深い贅沢な乳製品へとその姿を取り戻していきます。
ヤクのミルクはクセが強いと聞いて警戒していましたが、全くそんなことはなく、ギュッと旨みを集めたような味わいです。
プレーンがたまらなくおいしかったのですが、フレーバー展開も豊富。

ブルーベリーやいちごなどの既存商品に加え、FOODEXでは日本人向けに抹茶やワサビなども用意されていました。
刺激は加工途中に飛んでしまうようで、発酵の酸味やワサビの辛味はあまり感じず穏やかに味わえます。
一見派手に見えますが、香料や着色料は不使用。フレーバータイプには少しお砂糖が加えられおり、モンゴルではお子様にも大人気の携帯スナック。乳酸菌が生きたまま1gに13億個(粉末プレーンタイプで計測)も含まれているらしく、腸内環境にも嬉しいおやつですね。
以前、「ヤクのヨーグルトに恋して──公邸料理人が見た“乳の王国”モンゴル 【在住者レポート】」でモンゴル在住の鈴木裕子さんがご紹介されていらっしゃいましたが、モンゴルでは古くから「アーロール」という乾燥ヨーグルトが食されています。
湿度の低いモンゴルでは“乾燥”が保存食の基本手段であること、作物が育たず家畜の乳が非常に重要な栄養源であること、人口密度が低く集落間の移動には長時間を要し、携帯食が必須であること……。
モンゴルの気候風土や食文化の歴史を学んでみると、この地でフリーズドライヨーグルトが開発されたことには必然性を感じます。
アウトプットはとても現代的で、ともすれば見落としてしまいそうなストーリー。こうした地域に根ざした背景は、知れば知るほどに惹きつけられます。
食材・菓子・防災備蓄…保存性と汎用性が拓くヨーグルトの新たな分岐点
以上、FOODEX JAPAN 2026で注目したヨーグルト関連ブースのご紹介でした。
この記事をまとめていて感じた、ヨーグルトの次なる可能性は「食材としての活用」と「保存性」。日本ではまだまだ朝食のお供のイメージが強いヨーグルトですが、食事系アレンジにも合うヨーグルトが増えてくると喫食タイミングの拡大が見込めます。
また、ヨーグルトアイスやヨーグルトグミなど、健康的なイメージを活かした他の食品への素材活用も多く見られました。このことは、ご家庭での消費が大半を占めていたヨーグルトが外食市場や携帯される菓子類などに幅広く展開される可能性を秘めています。
さらにフリーズドライにより常温での長期保存が可能になったことで、災害への備えや季節での生乳の需給ギャップなどにも対応できる食材へと進化しつつあります。
古くから乳の保存性を高めるために作られてきたヨーグルトですが、さらなる保存性を求めて進む道がチーズだけではなくなり、新たな分岐が芽生えているのです。
伝統と現代の時勢とが折り重なって生まれたヨーグルトの新たな可能性に今後も要注目です。
![[FOODEX 2026]世界のヨーグルト最新トレンド!ヤク・粉末・アイス…変貌自在な「次なる進化」は?](https://yogurt-academy.com/wp/wp-content/uploads/2026/04/foodex2026-mainpic.jpg)
