ヨーグルトの使い方は、ヨーグルト先進国の人々に訊け! このシリーズでは、日本に住む各国出身のみなさんに、ふるさとのヨーグルト料理や、知られざるヨーグルトの活用法を教わります。
ブルガリアといえばヨーグルト。多くの日本人が抱くイメージに違わず、ブルガリアには多種多様なヨーグルト料理があります。
そんなブルガリアのヨーグルト料理を教えてくれたのは、埼玉県で不定期に料理教室を開いているリューシーさん。ご自宅からブルガリア文化を発信されており、その活動はまさに民間のブルガリア大使!
おいしい、つくりやすい、食べやすいと三拍子揃った4つの料理を教わるなかで、後編ではヨーグルトを使ったサラダ、スネジャンカ。そして謎の卵料理、ヤイツァ・ポ・パナギュルスキをご紹介します。
ぷにぷに!水切りヨーグルトが決め手。“白雪姫”の名を持つヨーグルトサラダ
ブルガリア語で白雪姫の意味を持つスネジャンカ(снежанка|Snezhanka)は、ヨーグルトをたっぷり使った白いサラダ。
「サラダだけどサラダっぽくないのがスネジャンカ。私はクラシックな作り方で、きゅうりを入れます。冬はピクルス、ゆで卵、ビーツなど入れてもおいしいの。このままいただくのはもちろん、肉のソテーにのせるのもおすすめですよ」とリューシーさん。
おいしさの決め手は水切りヨーグルトです。水分を抜くことで滑らかな質感と濃厚な味わいになり、元のヨーグルトとは別物になりますよ。
スネジャンカ(ヨーグルトサラダ)
分量:6人分
- プレーンヨーグルト:430g
- きゅうり:1本
- にんにく:1片
- ディル:8~10本
- くるみ:40g
- オリーブオイル:大さじ4~5杯
- 塩、黒胡椒:少々
1. 水切りヨーグルトをつくる。
水切りヨーグルトとは、水分を抜いたヨーグルトのこと。ガーゼを敷いたザルにヨーグルトを入れ、下に水を受け止めるボウルなどをおいて10時間置くと、もっちりとして軟らかな水切りヨーグルトができあがります。
その質感は、ふつうのプレーンヨーグルトに指を入れると「ずぶ」と入るのに対し、水切りヨーグルトは「ぷに」という感じ。これがスネジャンカのベースになります。
水切りヨーグルトは、レシピ通りの分量(6人前)ならガーゼを使うのがおすすめですが、「1~2人前ならコーヒーフィルターでもできるのよ」とリューシーさん。また、水切りヨーグルト専用容器は、場所をとらない優れモノ。ネットショップなどで購入できます。
2. きゅうりを細切りにする。
水切りヨーグルトに加え、もうひとつ、風味の決め手になるのがきゅうりです。きゅうり特有の青い香りは、ヨーグルトの爽やかさと驚くほどに相性抜群! 表面の皮を少々そぎ落とし、千切りスライサーで粗めのみじん切りにして、水気を絞っておきます。
3. ディルとくるみをみじん切りにし、にんにくをすり下ろす。
ディルはブルガリア料理に欠かせないハーブです。「近所で売っていないこともあるので、見つけたら多めに買って冷凍にしちゃう」のがおすすめとか。ブルガリアでは乾燥させたディルも当たり前に流通しているそう。
4. 水切りヨーグルトに具を混ぜ、味付けする。
最後にすべての具を水切りヨーグルトに混ぜ、塩、黒胡椒、オリーブオイルで味付けしたらできあがりです。「くるみがしっとり軟らかくなるから、作ってから数時間経ってから食べる方がおいしいの」。ヨーグルトを水切りしてあるので、作り置きもおすすめだそうです。
少々味見させていただくと、もっちりとして濃厚な水切りヨーグルトに、ディルの清々しい香りときゅうりの風味、後味ににんにくが香り、サラダでありながらクリームのようなテクスチャー。このままでもおいしいですが、パンや肉料理のつけあわせにもぴったりですね!
そして、リューシーさんが最後にパパッと作ってくれたのが、ヤイツァ・ポ・パナギュルスキ。この呪文のような料理はいったい何なのか…!? 次のページでご紹介します。