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突撃!隣のヨーグルトごはん1[後編]ブルガリアの家庭料理の達人・リューシーさんに教わるブルガリア人のソウルフードレシピ4選[サラダと卵料理]

家で食べる 2023.02.27

突撃!隣のヨーグルトごはん1[後編]ブルガリアの家庭料理の達人・リューシーさんに教わるブルガリア人のソウルフードレシピ4選[サラダと卵料理]

まるで呪文! パプリカ風味のヨーグルトエッグ、ヤイツァ・ポ・パナギュルスキ

最後にご紹介するのは、ヤイツァ・ポ・パナギョルスキ(Яйца по Панагюрски|Yaica po Panagyurski)。まるで呪文のようなこの料理名は、パプリカ風味のヨーグルトエッグです。

名前の由来は、ブルガリアの首都ソフィアから東に約90km、パナギュリシテという村の名前。小さな村の郷土料理かと思いきや、いまではブルガリア各地で食べられているメジャーな料理なんですって。

「簡単にできて栄養価も高く、ブルガリア人ならほぼ毎月食べるような料理ですよ」とリューシーさん。いったいどんな味なのか…!

ヤイツァ・ポ・パナギョルスキ(パナギュリシテ村の卵料理)

分量:4人分

<ポーチドエッグ>

  • 卵:4個
  • 酢:少々

<調味ヨーグルト>

  • ヨーグルト:200g
  • 『kiri』:4個(またはフェタチーズ 40g)
  • バター:20g
  • サラダ油:大さじ1杯
  • パプリカパウダー:小さじ1杯
  • にんにく(すりおろし):1片分

1. 4つの小鉢にヨーグルト、チーズ、にんにくを入れてよく混ぜる。

ヤイツァ・ポ・パナギョルスキは、ほぼこの器の上で料理が完成してしまう手軽な料理です。小鉢の上にヨーグルト50g、『kiri』1個、すりおろしたにんにくを入れ、それぞれの器の上で混ぜ合わせます。

ヨーグルトを器に入れます。ここまではどこでも見る朝ごはんの準備と変わりません。
ヨーグルトを器に入れます。ここまではどこでも見る朝ごはんの準備と変わりません。
ヨーグルトにすりおろしにんにくを入れると、ぐっと東ヨーロッパな感じに。
ヨーグルトにすりおろしにんにくを入れると、ぐっと東ヨーロッパな感じに。
さらに『kiri』を入れて、潰しながら混ぜます。
さらに『kiri』を入れて、潰しながら混ぜます。

2. 鍋でポーチドエッグをつくる。

ヤイツァ・ポ・パナギョルスキのヤイツァとは、ブルガリア語で卵の意味。ヨーグルトたっぷりの料理ではありますが、主役はその上にのったポーチドエッグでもあります。

湯の中で白身を固めるコツは、酢を小さじ1杯入れること。沸騰した湯に小さじ1杯の塩と酢を加えて火を止め、器に割り入れた卵を静かに湯の中に落とします。「卵の固さは好みで調整してね。半熟なら中火で2~3分、固くするなら4~5分」。

湯の中に酢を入れると、白身が湯の中に散らばりにくくなります。ポーチドエッグづくりの基本です。
湯の中に酢を入れると、白身が湯の中に散らばりにくくなります。ポーチドエッグづくりの基本です。
卵を入れるときはそーっと置くように。
卵を入れるときはそーっと置くように。
半熟、固ゆで、好みによって時間を調整します。ゆで卵より早くできるのがいいですね。
半熟、固ゆで、好みによって時間を調整します。ゆで卵より早くできるのがいいですね。
ポーチドエッグはできた順に小鉢に入れます。
ポーチドエッグはできた順に小鉢に入れます。

3. パプリカオイルを作ってヨーグルトエッグにかける。

仕上げはパプリカオイルづくりです。小さめのフライパンにサラダ油とバターを熱し、完全に溶けたところで火を止めたら、パプリカパウダーを投入。

香り高いパプリカオイルを熱々のうちに卵の上にかければ、ヤイツァ・ポ・パナギョルスキのできあがり!

サラダ油にバターを溶かすと、焦げにくくサラッと仕上がります。
サラダ油にバターを溶かすと、焦げにくくサラッと仕上がります。
パプリカパウダーを混ぜるとパアッとオイルが朱色に
パプリカパウダーを混ぜるとパアッとオイルが朱色に
ポーチドエッグの上にパプリカオイルをかけて仕上げます。
ポーチドエッグの上にパプリカオイルをかけて仕上げます。

ヨーグルト三昧なのに食べ飽きない!美しく心躍るブルガリアの食卓

4品を作り終え、いよいよ待望の試食タイム。深紅のクロスに、ブルガリアが誇る伝統的な陶器、トロヤン焼きに盛り付けられたスネジャンカ(ヨーグルトサラダ)やピレシカスパ(鶏肉のスープ)が実に映えます。このビジュアルだけでもうおいしい…!

本日教わった料理の数々。
本日教わった料理の数々。

さらにリューシーさんが「これを食べなければブルガリア料理と食べたとは言えないわよ」と出してくれたのがパプリカのマリネ、チュシコペク(Печени чушки|chushkopek)と、豚肉のワイン煮込みであるカヴァルマ(Каварма|Kavarma)。

パプリカの安い時期にたっぷり買って、焼いて皮を剥き、マリネにして瓶詰するのがブルガリア人の習慣なんですって。

そして驚くことに、ブルガリアにはパプリカを焼く専用の機器、チュラクペック(Чушкопек)があるそう。一緒に参加したシルちゃん曰く「ソ連時代からある機械じゃないかな」。

パプリカのマリネ。ブルガリアのパプリカはもっと大きく肉厚だそうです。
パプリカのマリネ。ブルガリアのパプリカはもっと大きく肉厚だそうです。

さらに、豚肉をワイン煮込んだカヴァルマ(Каварма|Kavarma)も出していただきました。

カヴァルマは、冬に定番の煮込み料理。「トルコやギリシャにもあるけど、ブルガリアは豚肉を使うことが多いの」とリューシーさん。さっそく取り分けていただくと、コクのあるやさしいうまみのシチューといった感じで、焼きたてのバニツァ(チーズパイ)にもぴったり。味のアクセントにスネジャンカ(ヨーグルトサラダ)もよく合います。

そして、料理名だけでわくわくしてしまうヤイツァ・ポ・パナギョルスキは、パプリカオイルを風味付けに効かせたポーチドエッグ入りヨーグルト。

卵の効果でコクのあるスープのような雰囲気もあり、甘くないヨーグルト料理として、朝ごはんにもよさそう。高たんぱくなので、筋トレ中や鍛えている方にもいいですね。

ブルガリア料理を囲んで楽しいひと時。
ブルガリア料理を囲んで楽しいひと時。

「ブルガリアでは朝は必ずヨーグルトを食べる人が多いんです。ラズベリーやいちごなど、ベリーのジャムを入れるのよ」

「ブルガリアでは大腸がんが比較的少ないといわれていて、これもヨーグルトの乳酸菌がいいんじゃないかって言われているの」

そんなブルガリアの話を聞きながら、多種多様なヨーグルト料理を楽しんでいるうちに、すっかりブルガリアを旅してみたくなっている自分がいました。

量の多少こそあれ、さまざまな工夫とともにヨーグルトが使われているブルガリア料理。日本人が出汁の風味に親しんでいるように、ブルガリア人は日々、ヨーグルトに親しんでいるのかもしれません。

いつかは本場で…!そんな想いを胸に、リューシーさんのブルガリア料理教室を後にしました。

リューシーさんに教わったブルガリアのヨーグルト料理

バニツァ(チーズパイ)

焼きたてがおいしいブルガリア定番のパイ。薄く伸ばしたパイ生地に、3種類のチーズを巻いて焼き上げます。大きいのに重たくなく、ヨーグルトの効果で爽やかなあと味。
焼きたてがおいしいブルガリア定番のパイ。薄く伸ばしたパイ生地に、3種類のチーズを巻いて焼き上げます。大きいのに重たくなく、ヨーグルトの効果で爽やかなあと味。

ピレシカスパ(鶏肉のスープ)

鶏肉、野菜、ヨーグルト、パスタでつくる栄養満点のスープ。レモンとにんにくのソースをかけるとキリッとした味わいに。ブルガリアでは二日酔いの日に食べる定番の料理。
鶏肉、野菜、ヨーグルト、パスタでつくる栄養満点のスープ。レモンとにんにくのソースをかけるとキリッとした味わいに。ブルガリアでは二日酔いの日に食べる定番の料理。

スネジャンカ(ヨーグルトサラダ)

もっちりとして濃厚な水切りヨーグルトに、ディルの清々しい香りときゅうりの風味、後味ににんにくが香るヨーグルトサラダ。肉料理のつけあわせにもぴったりです。
もっちりとして濃厚な水切りヨーグルトに、ディルの清々しい香りときゅうりの風味、後味ににんにくが香るヨーグルトサラダ。肉料理のつけあわせにもぴったりです。

ヤイツァポパナギュルスキ(パナギュリシテ風卵料理)

にんにくとパプリカオイルが味付けの決め手。スープのようであり、おかず系ヨーグルトでもあり、卵料理でもあるブルガリアのヨーグルトエッグ。
にんにくとパプリカオイルが味付けの決め手。スープのようであり、おかず系ヨーグルトでもあり、卵料理でもあるブルガリアのヨーグルトエッグ。

料理はもちろん、食器、刺繍、インテリアなど、ブルガリアを感じることができるリューシー先生の料理教室は『aini』から申し込みできます。

遊んで学べる体験プラットホーム『aini』
https://helloaini.com/users/135997

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話をしてくれた人

リュードミラ・ コストヴァ・吉田

リュードミラ・ コストヴァ・吉田

ブルガリアの首都、ソフィア生まれ。日本人の夫と暮らして30年以上。現在はブルガリア料理教室を不定期で開催しており、作りやすく、食べやすいブルガリア料理にファンも少なくない。

料理教室の申し込みはこちら
https://helloaini.com/users/135997

記事を書いた人

佐藤貴子
佐藤貴子

編集者・ライター。中華がわかるWEBマガジン『80C(ハオチー)』ディレクター。中華圏を胃袋目線で旅するroundtable(ラウンドテーブル)主宰。得意料理は中国の発酵火鍋。

Instagram
@satotakachinesefood