ヨーグルトソースがいい仕事!内モンゴルテイストのケバブとは?
香りよく焼いたラムショルダーに、シャキシャキとしたたっぷりの生野菜。それらを自家製発酵唐辛子と一緒に混ぜて、ヨーグルトソースを添えた一品が「スヨリト」のケバブです。
自家製の生地を手焼きしたバンズは、まるでピタパンのよう。ケバブと呼ばれる理由は、炭火で焼いたラム肉を、串からナイフで削いでいるため。作っているところをみると、たしかにまるで小さなケバブのようです。
ガブリと齧ると、生野菜のフレッシュさと、炭火で焼いた羊肉のうまみと香り、自家製の発酵唐辛子の塩気と辛みが一体となったいいバランス。中東のケバブとは趣が異なり、ぐっとアジアに寄った味わいが食べやすく、後を引きます。
これだけでも十分おいしいのですが、ここにヨーグルトソースをつけると、ぐぐっと味の幅が広がるのが不思議。味変というより、寄り添う調味料です。
ソースの味付けはヨーグルトにクミンと塩のみ。想像以上にシンプルですが、ヨーグルトの持つ力なのでしょう。ヨーグルトに含まれる少量の水気とマイルドな酸味が、全体をやさしくまとめ、たっぷりとつけて食べたくなります。
読者のみなさんはもうおわかりでしょう。さりげなく、それでいて効果的にヨーグルトを使っているのが「スヨリト」の料理なのです。こうなると、気になってくるのが、モンゴル族の家庭料理です。きっと豊かなヨーグルト食文化を持っているのでは…?
そう尋ねてみると、今度はスヨリトさんの奥さんである、ウリグムラさんが答えてくれました。
「ヨーグルトは日常的に食べていますよ。家でつくることもあります。料理なら、麺によく使います」
聞いてしまったからには、食べないわけにはいきません。これが、食べるだけで内モンゴルに飛べるような、純度100%の異国メシだったのです…!