ヨーグルトの使い方は、ヨーグルト先進国の人々に訊け!このシリーズでは、日本に住む各国出身のみなさんに、ヨーグルト料理や知られざるヨーグルトの活用法を教わります。
2023年の春、『みんなのヨーグルトアカデミー』が発表した「ヨーグルト白書2023」。もうご覧になりましたか?
ヨーグルトに関するさまざまな情報が満載のこのページ。みんなはどのようにヨーグルトを食べているのか見てみると、ほとんどの方が果物やはちみつなど甘くして食べていて、塩味のヨーグルトは上級者という印象を受けました。
一方、ヨーグルト先進国では、前回の内モンゴル編でご紹介した通り、ヨーグルトを肉の下ごしらえに使ったり、塩を加えてスープや麺と食べることも少なくありません。
例えば、ヨーグルト発祥の地とされるトルコもそのひとつ。東西文明の十字路に位置するトルコは、周辺のアラブ、東欧、アジアの文化を取り入れ、豊かな食文化を築き上げてきた国。ヨーグルトを料理として味わう文化が根付いています。
また、トルコ料理はフランス料理、中国料理と並んで世界三大料理に数えられる美食王国。しかし、日本で食べられる場所はそう多くありません。
そこで今回は、トルコ調理士協会日本代表を務めるシェフ、エリフ・アガフルさんに、家で作れるトルコのヨーグルト料理を教わってきました。
トルコ調理士協会日本代表!トルコの家庭料理を伝える店「イズミル」
阿佐ヶ谷駅の目の前にあるビルの一角で我々を迎えてくれたのは、「イズミル(Izmir)」のオーナーシェフ、エリフ・アガフルさん。
「イズミル」は以前当サイトでもご紹介し、食事会も大好評だった老舗のトルコ料理店。エリフさんはトルコの首都・アンカラで生まれ育ち、旦那さまの仕事の関係で、21歳のときに来日しています。
日本に来てからしばらく子育てに奔走していたそうですが、ある日「あなたの料理、おいしいからレストランをやってみたら?」と親友から言われて一念発起。日本では今以上に珍しかったトルコ料理店を20年前にオープンし、日本にトルコの食文化を伝えてきました。
東京および近郊のトルコの味が楽しめる場所というと、屋台式のドネルケバブ専門店が多いのですが、「イズミル」はトルコ全土の家庭料理が食べられるレストラン。
メニューをめくると、トルコの野菜料理のエッセンスが詰まった前菜のメゼ、イタリアのピザのルーツといわれるピデ、トルコパンのエキメッキ、鉄鍋で仕上げるタワ料理、トルコ式水餃子マントゥ、肉料理のケバブからトルコのお酒ラクまで揃い、どれを食べ、なにを飲もうかとワクワクした気持ちが止まらなくなります。
レストランのサービスは弟さんが担当し、料理は基本的にエリフさんが1人で担当。口にすると、異国のフレーバーをしっかりと感じるものの、どの料理も食べやすく、味のバランスがとれていて、食材やスパイスの自然な調和にしみじみとおいしさを感じるものばかり。
聞けば、料理の専門学校に通ったことはないけれど、現場で学び続けて20年。今ではトルコ調理士協会の日本代表に選ばれ、日本にトルコの食文化を伝える第一人者となっています。
そんなエリフさんが「トルコ人なら誰でも知っていますよ」とおすすめしてくれたのが、ヨーグルトを使った栄養たっぷりのスープ料理です。次のページで作り方をご紹介します。